65歳になった時点で年金保険料を10年以上納めていれば、私たちは年金を受給できます。国民年金保険料を納めた人は基礎年金を、厚生年金保険料を納めた人は基礎年金に加えて厚生年金を受給します。
しかし、なかには年金額が極端に少なく、生活に困っている人もいるでしょう。こうした人を支援する給付金が「年金生活者支援給付金」です。給付を受け取ることで、生活支出の負担が緩和されます。
この年金生活者支援給付金は、申請しないと受け取れません。また、受給するには各種要件を満たす必要があります。この記事では、年金生活者支援給付金の概要や給付額、申請方法について解説します。
1. 老齢年金生活者支援給付金とは
年金生活者支援金は、年金額や収入が少ない年金受給者に対して、年金に上乗せして支給される給付金です。
給付は3種類あり、年金の種類に応じて以下のように分かれています。
- 老齢(補足的老齢)年金生活者支援給付金
- 障害年金生活者支援給付金
- 遺族年金生活者支援給付金
このうち、65歳から受け取れる老齢年金を受け取っている人は、所定の要件を満たせば老齢年金生活者支援給付金を受け取れます。
老齢年金生活者支援給付金の支給要件は、以下のとおりです。
〈給付要件〉
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である。
- 世帯全員が市町村民税非課税である。
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後生まれの人は78万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの人は78万7700円以下(※2)である。
※1障害年金・遺族年金などの非課税収入を除く
※2昭和31年4月2日以後生まれで78万9300円超〜88万9300円以下である人や昭和31年4月1日以前生まれで78万7700円超〜88万7700円以下である人には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される。
給付要件のなかには収入要件のほかに「住民税非課税世帯であること」が定められています。2023年の経済対策に基づき、最大10万円の給付金を受け取った世帯は、支給対象となる可能性が高いでしょう。
では、老齢年金生活者支援給付金の給付額について、次章で解説します。