5. 現役時代から始める老後資金作り
今回は、現役シニア世代の年金実態について解説してきました。
リタイア後の生活に少しでも不安を感じたのであれば、現役時代から老後資金作りを始めていきましょう。
まずは「ねんきん定期便」などで、将来受け取ることができる年金額を確認し、理想の老後生活を送る為に不足する金額を把握しましょう。
不足額が出る場合、貯金で貯めていくのも1つの方法ですが、低金利が続いている日本においては効率が悪いかもしれません。
そこで選択肢となるのが資産運用です。資産運用はリスクがありますが、預金と比べて効率的に老後資金を作れる可能性があります。
運用方法によってリスクは異なるので、自分の取れるリスクの範囲内で無理なく継続できる金額から始めることが重要です。
今年に入り「新NISA制度」がスタートしましたね。また12月には「iDeCo」の制度改正により掛金の上限額引き上げ、事業主証明書の廃止など、以前と比べると、資産運用を始めやすい環境になっています。
その反面、ネットでは様々な資産運用に関する情報が溢れており、正しい情報を取捨選択する力が求められます。
目的が「老後資金」であれば、貯めるまでに必要な金額、年数など周りの人と異なることがほとんどであり、全く同じプランで準備すれば安心というものではありません。
理想の老後生活の実現に向け、自分専用の老後資金プランを作成できればいいですね。
6. 【ご参考】年金に関する疑問や不安を解消!よくある質問
「年金って難しそう…」と感じている人は、多いのではないでしょうか。でも、基本のポイントを押さえると、意外とシンプルなのです。ここでは、年金についてよくある疑問について、わかりやすくお答えしていきます。
6.1 「繰下げ受給」って実際どうなの?
通常、年金は65歳からもらうものですが、「まだ働けるし、今すぐ必要じゃない」という方には「繰下げ受給」という選択肢があります。簡単に言うと、年金の受け取りを後回しにして、もらう額を増やす方法です。
たとえば、65歳で受け取る予定を75歳まで繰り下げると、年金額が84%も増えるんです。
もし健康で他にも収入源があるなら、繰下げ受給を検討してみる価値は十分にあるでしょう。
6.2 年金や老後資金をもっと増やすには?
繰下げ受給以外にも、年金や老後資金を増やす手段はいくつかあります。
国民年金の付加保険料を払う
自営業やフリーランスの方は、少し追加で保険料を払うことで、将来もらえる年金額をアップできます。
厚生年金に加入する
もし可能なら、厚生年金に加入するのも手です。もし国民年金だけに加入していた場合、会社員になったり、厚生年金が適用されるような働き方を選ぶと、年金額が増えます。
資産運用に挑戦
iDeCo(個人型確定拠出年金)や投資信託での資産運用も有効です。
ただし、これは場合によっては元本割れのリスクもあるので、まずはしっかり調べてからスタートするのが大事。お金の増やし方も「焦らずじっくり」がポイントです。
これで、年金の仕組みが少しクリアになったでしょうか?
ちょっとずつでも理解を深めていくと、老後への不安が少しずつ減っていきますよ。将来に向けて、一緒に準備を始めていきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報|令和4年度」
- 国民年金基金「よくあるご質問(給付に関して)」
- 日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」
奥野 友貴