日本政府観光局(JNTO)が2025年2月19日に発表した訪日外客統計によると、1月の訪日外客数は約378万人で、前年同月比では 40.6%増となり、単月過去最高を記録したことがわかりました。
円安の影響も大きいとみられ、特に高級ブランド品や観光地での消費が活発化し、インバウンド需要が日本経済を下支えしています。
しかし、日本経済全体を見渡したときに、果たしてインバウンド需要だけが成長の柱となり、それ以外の産業は低迷してしまうのでしょうか。
実は、日本の富裕層は年々増えていると言われています。なぜそのようなことが起きているのでしょうか。
今回は、日本経済の現状を知る一環として、日本の富裕層について紐解いていきます。富裕層のカード利用データをもとに、彼らの消費傾向や資産管理の方法についても詳しく解説していきます。
1. 【割合を確認】日本にはどのくらい富裕層がいる?
まずは、日本における富裕層の現状について見ていきましょう。
野村総合研究所の調査によれば、純金融資産が1億円以上5億円未満の「富裕層」と、5億円以上の「超富裕層」を合計すると、該当する世帯数は148万5000世帯にのぼり、これは日本全体の世帯数のおよそ2%に相当します。
出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層・超富裕層は合計約165万世帯、その純金融資産の総額は約469兆円と推計」
1.1 【一覧表でチェック】富裕層の世帯数と保有資産規模
- 超富裕層(5億円以上):11.8万世帯/135兆円
- 富裕層(1億円以上5億円未満):153.5万世帯/334兆円
- 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403.9万世帯/333兆円
- アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576.5万世帯/282兆円
- マス層(3000万円未満):4424.7万世帯/711兆円
富裕層の数は年々増加しており、将来的には資産格差がさらに広がるとも言われています。
一方で、一般家庭では「生活が厳しい」という声も頻繁に耳にします。
では、なぜこれほどまでに富裕層が増えているのか、その背景について考えてみましょう。