筆者はFP資格を保有するファイナンシャルアドバイザーとして、日々「お金」に関するさまざまなご相談を受けています。
最近は「物価が上がっていて生活が苦しい」という方が増えたように感じます。
総務省が2025年2月21日に公表した「2020年基準 消費者物価指数 全国2025年(令和7年)1月分」によると、消費者物価指数の総合指数は前年同月と比較し3.2%の上昇となっています。
生活費や教育資金など日々の家計をやりくりしつつ、「老後生活」に向けた計画を立てることも大切です。
そこで今回は、「65歳以上・無職夫婦世帯」の平均貯蓄額や家計収支をご紹介します。
2025年度の年金額が増額改定されたことや、働き方別の年金額例についても解説します。
老後資金を準備するための一助になれば幸いです。
1. 年金世帯「65歳以上・無職二人以上世帯」平均貯蓄額は?
総務省「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」によると、65歳以上で無職の二人以上世帯の平均貯蓄額は2504万円となっています。
上記調査における平均貯蓄額の推移は、以下のとおりです。
1.1 年金世帯「65歳以上・無職二人以上世帯」の平均貯蓄額の推移
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
上記のグラフからもわかるように、2018年から2020年の間、平均貯蓄額は2200万円台でしたが、2021年以降は2300万円に増加し、2023年には2500万円台に達しました。
急速な少子高齢化が進み、年金制度の不安が広がる中で、「貯蓄を増やした方が安全では?」という意識が高まるのは理解できます。
とはいえ、実際には物価の上昇が影響し、生活費の増加に伴って貯蓄額の増加を実感するのは難しい状況です。
では、銀行預金以外の資産についてはどうなっているのでしょうか。