2024年も残りわずかとなり、2025年が近づいています。筆者はファイナンシャルアドバイザーとして日々資産運用相談を行っており、今年の大きな変化はNISA制度の大幅な変更です。この変更を受けて、「今年こそ投資を始めよう」と思った方々も多いかもしれません。
最近、新NISAに関する相談の中で、「損をしそう」「難しそう」という不安の声をよく耳にします。確かに、NISAは投資商品なので、資産が減る可能性はあります。しかし、運用を始める前に知識を身につけておけば、リスクを抑えながら資産を増やす期待が持てることでしょう。
この記事では、2024年から変更されたNISA制度を振り返り、「月3万円・30年間」の積立投資をシミュレーションしてみます。これを参考に、投資の具体的なイメージを作りましょう。
1. 新NISAってどんな制度?
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は、少額からの投資のために作られた税制優遇制度で、2014年にスタートしました。
NISA口座で株式や投資信託などを買い付けて運用した場合、運用益に税金がかかりません。
この2024年1月にNISA制度が大幅に改正。旧制度よりも使い勝手がよくなりました。次でその詳細を整理していきましょう。
1.1 NISAの基本
NISA口座の開設は、一人1口座しかできません。この点は新旧NISAに共通する決まりです。
2023年までの旧NISA制度では、口座開設の際に「一般NISA(2014年創設)」または「つみたてNISA(2018年創設)」のどちらかを選ぶ必要がありました。
また非課税保有期間についても、一般NISAは5年、つみたてNISAは20年と、それぞれに期限が設けられていたうえ、年間投資上限は、一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円。非課税保有限度枠も、一般NISAは600万円、つみたてNISAは800万円と決まっていました。
2024年1月に始まった「新しいNISA(新NISA)」では、投資対象や非課税投資期間や保有限度枠の自由度が高まり、より個別のニーズに合う資産づくりがしやすい制度になっています。
次で詳しく見ていきましょう。