3. 211万円の壁に収まることのメリット
年金受給額が「211万円の壁」の範囲内に収まると、次のようなメリットがあります。
- 住民税が非課税になる
- 介護保険料や国民健康保険料が安くなる
- 高額介護サービス費が安くなる
- 高額療養費制度の自己負担限度額が下がる
- 75歳以上の後期高齢者制度の医療費が安くなる
- 自治体のサービスや特典を受けられる
住民税が非課税になることのほかに、介護保険料や国民健康保険料が安くなるため、年金支給額から控除される金額が減り、手取り額が増える可能性があります。
また、高額介護サービスや高額療養費制度を利用した場合の自己負担額が安くなることや、後期高齢者医療制度の窓口負担額が安くなるといったこともメリットです。
ほかにも、自治体ごとに設けられている、住民税非課税世帯に対するサービスや特典を利用できます。たとえば、新型インフルエンザの予防接種の自己負担額が軽減されたり、入院した際の食事代が安くなったりします。
4. まとめにかえて
年金生活世帯における「211万円の壁」とは、年金収入が住民税非課税世帯に該当するかどうかの境界線のことです。
壁の範囲内に収まると、社会保険料が安くなったり、高額介護サービスや高額療養費制度の自己負担額が軽減されたりします。
ただし、211万円を超えてしまうと、住民税が課税され、介護保険料や国民健康保険料が高くなる可能性があります。
壁となる金額はお住いのエリアによって異なるため、自治体の公式サイトなどで確認してください。
参考資料
木内 菜穂子