夫婦二人で公的年金を受給している世帯には、住民税が非課税になるかどうかの「211万円の壁」があります。
住民税は、公的年金から天引きされることが多いため、非課税になれば年金の手取り額を増やすことが可能です。
では、住民税が非課税になる「211万円の壁」とはどのようなものなのでしょうか。該当するための条件や、「211万円の壁」に収まると得られるメリットなどについて解説していきます。
1. 年金の「211万円の壁」とは
年金生活世帯における「211万円の壁」とは、公的年金による収入のみで生活している高齢者夫婦世帯が、「住民税非課税世帯」に該当するかどうかの境界線のことです。
具体的には、65歳以上の年金受給世帯において、世帯主の公的年金が211万円以下、なおかつ配偶者の公的年金が155万円以下の場合に、住民税非課税世帯に該当します。
1.1 211万円の理由
なぜ211万円という金額が境界線になるのかは、以下のように考えます。
住民税が非課税になるにはいくつか条件がありますが、その中に「前年の合計所得が一定の所得以下の人」というものがあります。一定の所得とは、以下の計算式で求めた金額です。
35万円×(本人+被扶養者の人数)+21万円(※)+10万円
※21万円は被扶養者がいる場合に加算
本人と配偶者の場合、101万円(35万円×2人+21万円+10万円)となります。
そして、公的年金等控除として110万円が利用できるため、合計で211万円(101万円+110万円)になるという計算です。
ただし、お住いの地域により、この壁となる金額は異なります。次章で詳しく解説していきます。