3.3 60歳以降も働き続ける

報告書の試算では、無職の60歳代世帯を例に検討をされているため、月の収入を増やすことでも、試算による月々の赤字を減らすことができます。

60歳や65歳で定年を迎えた後も、何らかの形で収入を得ることで、老後に2000万円の貯蓄がなくても生活ができると考えられます。

例えば社会保険に加入をする形で労働を続けた場合には、収入が増えるとともにその後に受け取れる年金の受給額も増額されることになります。

また、収入は労働以外にも、不動産投資や資産運用で得ることも可能です。早い年齢から、老後の生活設計をして、不足額があれば補うための手段を検討することが重要です。

4. おわりに

近年は平均寿命が伸びることにより、老後の生活する時間が長期化しています。

さらに、60歳以降も働く高齢世代も増えてきており、老後に必要なお金はその世帯の生活環境によって大きな差が生じます。

そのため、貯蓄額がいくら必要であるかは、一般的に試算された2000万円という数字を鵜呑みにするのではなく、自身の生活設計に合った金額を算出することが重要です。

現役世代の早い段階から、老後の生活設計について検討をして、資産運用や働き方などを考えることで、老後の生活を充実して送ることができるようになります。

自身の資産設計やライフプランについて、迷ったときは専門家にも相談をしながら慎重に計画に取り組んでいくことがおすすめです。

参考資料

斎藤 彩菜