4. 年金だけで100%生活できている高齢者世帯は「41.7%」
厚生労働省の「2023年（令和5年）国民生活基礎調査の概況」によると、年金のみで生活費を完全に賄えている高齢者世帯は41.7％にとどまっています。
つまり、年金を受給している世帯の約6割は、年金だけでは老後の生活を維持できていないということになります。
年金受給額には個人差があるものの、年金収入のみで生活できる高齢者世帯は少数派です。
このような状況を踏まえると、公的年金を基盤とした老後の生活設計にはリスクが伴うと言えるでしょう。
そのため、現役世代の方々は、今後ますます年金以外の収入源や老後資金の確保が重要になると考えられます。
5. FPからのアドバイス
今回はいまの70歳、現役シニア世代のリアルなお財布事情について眺めてきました。
データからみると、年金だけで生活するというのは現実不可能に近いと言えるでしょう。
低金利・止まらない物価上昇のいま、効率的に運用を取り入れることは必要不可欠になりつつあります。
もちろん運用にはリスクがつきものですが、時間を味方につけることでリスクを軽減させる効果もあります。自分に合った方法があるのか情報収集してみるのもいいでしょう。
老後に向けた資産づくりには早めの準備が大切です。できることからひとつずつ始めていきましょう。
参考資料
- 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査［二人以上世帯調査］（令和5年）」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2023（令和5）年 国民生活基礎調査の概況」
- 総務省「2020年基準 消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)9月分」
笹村 夏来
