11月は「ねんきん月間」です。現役世代の人たちは、将来迎える年金生活を想像してみましょう。
理想的な老後を過ごせそうですか?
少子化により公的年金制度への不安が高まっていく昨今。老後に対してネガティブなイメージをもってしまう人は少なくないでしょう。
老後の生活を支える柱とされてきた公的年金ですが、年金収入だけで生活することは容易ではありません。現役世代の人たちは、老後の生活を支える柱を、貯金や私的年金などで作っておく必要があります。
必要な金額は、ライフスタイルや家族構成の変化によって異なります。いくらあれば「安心」という具体的な金額表示は難しいですが、現状からある程度の「予想」を立てることは可能です。
そこで今回は現役シニア世代のリアルなお財布事情について観察してみたいと思います。
70歳代シニア世帯の平均貯蓄額や年金の平均月額について紹介しますので、老後対策の参考にしてみてください。
1. 70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額(平均・中央値)はいくら?
老後の主な収入源として公的年金が一般的ですが、より安定した生活を送るためには、貯蓄も重要な役割を果たします。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」によると、70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円です。
また、平均値よりも実態に近いとされる中央値では、貯蓄額は「700万円」となっており、平均値と1000万円以上の差が生じています。
上記から、現代のシニア世代においては、貯蓄格差が顕著であることがうかがえます。
では次に、70歳代・二人以上世帯の「貯蓄額ごとの世帯割合」を確認していきます。
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
金融資産を持たない、いわゆる「貯蓄ゼロ世帯」は全体の約2割であり、このような世帯では、毎月の生活費を確保するために十分な収入が必要になるでしょう。
一般的に老後の収入源として公的年金が挙げられますが、月々の年金受給額はどの程度なのでしょうか。
次章では、現在のシニア層が受け取っている公的年金(厚生年金・国民年金)の受給額について詳しく解説します。