「年金生活者支援給付金」制度は、年金収入が一定基準を下回る人を対象に、生活支援を目的として2019年から導入されたものです。
毎年9月1日から、要件を満たす方に対して「年金生活者支援給付金請求書」が順次送付される仕組みになっています。
円安や物価上昇が続く中、このような給付金は年金生活者にとって大きな助けとなると考えられます。
ただし、この制度はすべての年金受給者が対象ではなく、給付を受けるためにはいくつかの条件を満たす必要があります。そのため、自分が対象に含まれるのか気になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、この「年金生活者支援給付金」の対象となる要件や具体的な給付額について詳しく解説します。また、請求書が届いた後に必要となる申請手続きの方法についても併せて紹介し、この制度を正しく活用するためのポイントをお伝えします。
1. 低年金世帯の支え「年金生活者支援給付金」の要件は?
年金生活者支援給付金とは、所得が低く経済的に困難な高齢者世帯を支援するために、公的年金に追加で支給される給付金です。
この給付金を受け取る対象者は、「老齢基礎年金(国民年金)」「障害年金」「遺族年金」の受給者の中で、特定の条件を満たした人に限られます。
各年金生活者支援給付金の要件をそれぞれ確認していきましょう。
1.1 「老齢年金生活者支援給付金」の要件をチェック
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者である
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税である
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前年の公的年金等の収入金額※1とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は88万7700円以下※2である。
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で78万9300円を超え88万9300円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で78万7700円を超え88万7700円以下である方には、「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。
1.2 「障害・遺族年金生活者支援給付金」の要件をチェック
- 障害基礎年金もしくは遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得が472万1000円以下である
留意点として、下記に該当した場合は、各年金生活者支援給付金の要件を満たしていた場合でも支給対象外となります。
- 日本国内に住所がないとき
- 年金が全額支給停止のとき
- 刑事施設等に拘禁されているとき
年金生活者支援給付金の対象であるかを詳しく確認したい場合は、お住まいの市町村窓口や最寄りの年金事務所に問い合わせることをおすすめします。
次章では、年金生活者支援給付金の具体的な給付額について解説していきます。