令和5年に厚生労働省が発表した簡易生命表によると、65歳まで生きる割合は、男性で89.5%、女性では94.4%となっています。
女性に至っては、10人中9人以上が老後を迎える計算です。これを聞くと、「自分の老後、大丈夫かな?」ってちょっと考えちゃいますよね。
多くの人が老後生活を迎える中で、そのための準備が重要であることがわかりますね。
そこで今回は、その老後生活に欠かせない「厚生年金・国民年金」の仕組みや、年金生活世帯のリアルな貯蓄事情をわかりやすくご紹介します。
「うちはどうかな?」と気になる方、ぜひチェックしてみてくださいね。
1. 【70歳代】夫婦世帯(二人以上世帯)の平均貯蓄額はいくら?
一般的に、老後の収入の柱は「公的年金」となるでしょう。
しかし、安定した老後生活を確保するためには、「貯蓄」が大きな役割を果たします。
公的年金だけでは日々の生活費や医療費、予期せぬ出費に対応するのが難しい場合があるため、若いうちから計画的に貯蓄を行い、老後に備えることが大切です。
では実際にシニア層はどれくらいの貯蓄をしているのか、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」をもとに見ていきましょう。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】貯蓄額ごとの世帯割合
- 金融資産非保有:19.2%
- 100万円未満:5.6%
- 100~200万円未満:5.1%
- 200~300万円未満:4.3%
- 300~400万円未満:4.7%
- 400~500万円未満:2.5%
- 500~700万円未満:6.2%
- 700~1000万円未満:5.8%
- 1000~1500万円未満:10.2%
- 1500~2000万円未満:6.6%
- 2000~3000万円未満:7.4%
- 3000万円以上:19.7%
70歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額は1757万円で、より実態に近い値を表すとされる中央値は700万円となっています。
金融資産を持たない、いわゆる「貯蓄ゼロの世帯」は約2割にのぼっています。これらの世帯は、毎月の生活費を賄うための十分な収入が必要となるでしょう。
多くの人の場合、老後の主な収入源は「公的年金」となるわけですが、その月額受給額はどれほどなのでしょうか。
次章で、現在のシニア世代が受け取っている年金の受給額について確認します。