2024年11月22日、総務省は「2020年基準 消費者物価指数 2024年(令和6年)10月分」を発表しました。2020年の総合指数を100とすると、9月の数値は109.5となり、前年同月比では2.3%の上昇となっています。

食品など身近なものがどんどん値上げされる中で、「このまま物価高が続いたら生活できない!」と不安を感じている方も多いことでしょう。

特に、少ない年金生活で暮らす高齢者の方にとって昨今の物価高が家計に与えるダメージは、より年金生活を厳しいものにさせているようです。

実際、筆者も前職は金融機関に勤務していましたが年金で生活を送る高齢者の中には、「年金が少ないから生活費を抑えないといけないけど、なかなか厳しい」と言う方もいらっしゃいました。

数年前ですら、年金では生活が苦しいと訴える高齢者の数は多かったのですから、今はより年金生活の厳しさを感じている高齢者の数はさらに多いかもしれません。

では、それだけシビアな年金生活をおくる高齢者に対して国から支援してくれるものは何もないのでしょうか?

実は、一定の条件に該当する年金生活者を対象に生活の支援を図ることを目的にした「年金生活者支援給付金」というものがあります。

今回は、年金生活者支援給付金について解説していきます。

1. 年金生活者支援給付金の基準額はいくら?種類別にチェック

年金生活者支援給付金は「老齢年金」「障害年金」「遺族年金」それぞれの受給者によって給付基準額が異なります。

2024年度の年金生活者支援給付金の給付基準額は下記のとおりです。

【年金生活者支援給付金の給付基準額】

  • 老齢年金生活者支援給付金:月額5310円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級 月額6638円、2級 月額5310円
  • 遺族年金生活者支援給付金:5310円

実際の支給額は、上記の給付基準額をもとに、保険料納付済期間等などに応じて計算されるため個人差が出ます。ちなみに「世帯ごと」ではなく「受給者ごと」に給付されます。

次では、高齢者の年金生活世帯にかかわりが深い「老齢年金生活者支援給付金」の給付額の計算方法を整理してお伝えします。