結婚生活にはいろいろあるもので、おじいちゃん・おばあちゃんになっても手をつなぎ、死ぬまで仲良くなんて現実的には難しいこともありますよね。日本の離婚率も昭和時代に比べると高まっており、離婚へのハードルも低くなっている様子。
特に女性は、産後に「この人とはやっていけない!」と一度くらい離婚を本気で考えたことがある人も多いかもしれません。今回は3人のママに、離婚を考えた瞬間について話を聞いてみました。
夫の非協力的な態度に…
「子どもが生まれて間もなくのことです。私が体調を崩して、丸2日ほど寝込んでしまいました。まだまだ夜中のおむつ替えや授乳も頻回で、もうフラフラ。寝る前に『助けてよ』と言ったにもかかわらず隣で寝ている夫を見て、子どもが成人したら別れてやると思いました。あとから聞いたら“俺は母乳が出ないから代われない”と思っていたそうですが。体調が悪いときぐらいミルクでもいいじゃない!」(33歳/結婚7年目/4歳女児のママ)
よく「男性は親になった自覚が芽生えるのに時間がかかる」と言いますが、産後すぐの時期こそ協力してほしいものですよね。こちらの家庭は、その後どうなったのでしょうか。話を聞いてみました。
「もうこの人とは無理!と本気で思ったけど、休みの日に私を連れ出してくれたり子どもをお風呂に入れてくれたり、まだマシだと思うように頑張りました。そのうち夫にも自覚が出てきたようで、今では子育ても率先してやってくれるようになっています。あのときのことは忘れないけど、離婚するつもりはありません」
夫が成長しただけでなく、妻も相手が努力している部分をきちんと認める気持ちがあるからこそ、ふたりの関係は修復されたのかもしれませんね。多くの人は“してくれないこと”に目が向きがちですが、長年連れ添うには無理にでも相手のいい部分を見つけようとするときも必要なようです。
子育てのツラさは結局どこか他人ごと
「産後あまりにもイライラするようになって、カウンセリングでも受けようかと思うほど悩んだことがあります。夫に相談してみたけど、どこか他人ごとで冗談っぽく流されました。それから何度か育児の悩みを相談しましたが、きちんと理解しようとする姿勢は感じられません。それなのに『なんでそんなにイライラしているの?』とよく言われるようになり…。私だってイライラしたくないですよ。そんな自分にも悩んでいます。なんで“それだけ追い詰められている”ってことに気がついてくれないのでしょう。合わないのかな?と思っています」(30歳/結婚4年目/2歳男児のママ)
子育てのツラさを一番理解してほしいはずの夫が、あまり真剣に話を聞いてくれない。これではママの心の負担はいつまで経っても軽くならず、いずれ爆発するときがやってくるかもしれません。こちらの家庭では、その後どのような状況へ発展していったのでしょうか。
「子どもの生活もあるので離婚はしていません。けど最近ケンカも増えてきて…以前のように夫婦で仲良く会話をすることもなく、家庭内の空気は最悪です。むしろ夫がいない日のほうが、子どもとの関係もうまくいくんです。子どものために何がベストなのか、分からなくなってきています」
2012年ごろから「産後クライシス」という言葉をよく耳にするようになりました。この夫婦のように、産後2~3年で、夫婦仲が急速に冷めることを表した言葉だそうです。
確かに出産を機に夫婦の争いが増えることもありますが、出産の“せい”で離婚に至るわけではないはず。あくまでも夫婦お互いに未熟な部分があったからであって、たとえ離婚することになっても、子どもが少し大きくなったときに「自分が生まれたせいで親の仲が悪くなった」と思わせることがないように配慮していきたいですね。
DV夫とはもっと早く別れるべきだった
「夫はいわゆるDV系でした。下の子が生まれてから、手を上げられる回数も増えてきたんです。逃げるように離れました」(35歳/4歳女児・1歳女児のママ)
このように、明らかに子どもにとっていい家庭環境とはいえない場合でも、ひとりでやっていけるのか?とか、子どもにとって父親が必要なときもあるのではないか?と悩むこともありますよね。しかし、この女性は「むしろもっと早く離婚すればよかった」と感じる出来事があったそうです。
「離婚が成立して数カ月経ちます。今は平和な毎日ですが、暴力的な父親の記憶がある上の子は、いまだに思い出すことがあるようで、たまに突然怖がることがあります。下の子は覚えてないから平気みたいなんですけどね。上の子のために、もっと早く決断すればよかった」
子どもにとって両親そろっていることが幸せとは限らないとは、まさにそうなのかもしれませんね。決断することはなかなか難しいですが、離婚することがプラスになるケースがあることも事実なのです。
今の決断がすべてじゃない
離婚するかしないか、家庭それぞれの判断がありますよね。その多くが、子どもにとってどの選択がベストなのかを悩み抜いて出した決断でしょう。どんな結論に達したとしても、子どもの幸せを一番に考えているのはあなた。後悔せず、自信を持っていたいものです。
今しなくても離婚はいつだってできるし、離婚しても同じ人とまたやり直すことだってできます。そう思うと、少し気持ちが軽くなるかもしれませんね。
桜井 まどか