高齢化や低年金が進む日本では、年金だけで生活費が賄えないといった理由から、65歳以降も働くシニアが増加傾向にあります。

実際に総務省の「統計からみた我が国の高齢者」によると、65〜69歳の52.0%、70〜74歳の34.0%が働いており、「働くシニア」の割合が過去最高を記録しています。

つまり、年金受給を開始する年代となる65歳でも、約半数のシニアは継続して働き続けているのです。

老後も働くことで、年金以外の収入が得られるほか、年金額が増えるなど、継続就労には多くのメリットがあります。

さらに、65歳以降に退職した際に受け取れる「高年齢求職者給付金」は、働くシニアにとって心強い制度です。

本記事では、「働くシニア」や「老後に働くことを考えている人」が知っておきたい高年齢求職者給付金について詳しく紹介していきます。

現在の働くシニアの実態についても紹介しているので、あわせて参考にしてください。

1. 増え続ける「働くシニア」。20年連続で増加し914万人と過去最多に

総務省の「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、2023年の65歳以上の就業者数は914万人に達し、過去最多を記録しました。

【写真全5枚】1枚目/《推移表》65歳以上の就業者数、2枚目/《推移表》就業者総数に占める「65歳以上の就業者」の割合

《推移表》65歳以上の就業者数

出所:総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

これは2004年以降、20年連続で前年の就業者数を上回る結果となっています。

さらに総務省の同資料では、2023年の15歳以上の就業者総数に占める65歳以上の就業者の割合は13.5%となっています。

《推移表》就業者総数に占める「65歳以上の就業者」の割合

《推移表》就業者総数に占める「65歳以上の就業者」の割合

出所:総務省「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」

つまり、現在の日本では就業者のおよそ7人に1人が65歳以上であり、この比率は今後さらに高まると予測されています。

シニア世代の就労が「新たな社会の姿」として定着しつつある現代では、シニア雇用を支援する制度の重要性が高まっています。

しかし、現役時のように長期間働き続けることが困難な高齢者も多く、予期せぬ失業に直面した際のセーフティーネットが不可欠です。

このような背景から注目されているのが、高齢者の就労支援策「高年齢求職者給付金」制度です。

次章にて、働くシニアが必ず知っておきたい「高年齢求職者給付金」について確認していきましょう。