3. 2024年度の年金額例をチェック
公的年金は、物価や現役世代の賃金を考慮して毎年度見直しが行われます。2024年度(令和6年度)の年金支給額は前年度より2.7%引き上げられており、2024年6月支給分(4月・5月分の年金)から適用されています。
厚生労働省が公表している、2024年度の年金額例を見ていきましょう。
国民年金(※1)
老齢基礎年金の満額(1人分):6万8000円
※1)1956年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金(満額1人分)は、月額 6万7808 円(対前年度比+1758 円)です。
厚生年金(※2)
夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額:23万483円
※2)平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9 万円)で 40 年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準です。
2024年度の公的年金は、2年連続で前年度より引き上げられています。とはいえ昨今の物価上昇には追い付いておらず、実質的には目減りとなっているのが現状です。
4. 早い段階からの備えが大切
今回の記事では、現在のシニア世代の年金事情を詳しく見てきました。
厚生労働省によれば、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は23万483円です。しかし、この金額だけでは安心した老後を過ごすには十分とはいえないでしょう。物価上昇や税金、社会保険料の増加により、将来の年金の手取り額がさらに減る可能性もあります。
また、今後の老後生活のためには、早い段階からの備えが大切です。まずは、自分の年金受給見込額を把握し、老後の生活費と比較していくら不足するのかを確認しておくと良いでしょう。これは、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」から確認ができます。
不足分が確認できたら、貯蓄や資産運用など、今からできる対策を始めてみましょう。資産運用にはリスクも伴いますが、将来に向けて計画的に準備していくことで、より安心して老後を迎えられるかもしれません。
参考資料
- 厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報|令和4年度」
- 厚生労働省「令和6年度の年金額改定についてお知らせします ~年金額は前年度から 2.7%の引上げです~」
- 国民年金基金「よくあるご質問(給付に関して)」
- 日本年金機構「Q年金はいつ支払われますか。」
菅原 美優