令和5年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性が81.09歳、女性が87.14歳と、どちらも前年を少し上回りました。
長生きできるのは嬉しいニュースですが、老後の生活費をどうするかが大きな課題ですよね。
特に65歳で退職してから平均寿命まで生活すると考えると、公的年金だけで本当に足りるのか、不安を感じる人も多いはずです。
医療費や趣味のお金もかかりますし、何より安心して暮らせる蓄えがあるかどうかは、心の余裕にもつながりますよね。
そこで今回の記事では、60歳以降の世代がどのくらい年金を受給しているのか、リアルな数字をのぞき見しつつ、自分の老後資金づくりの参考にできる情報をお届けします。
「私の老後、大丈夫かな?」と思ったら、ぜひチェックしてみてくださいね。
※金額等は執筆時点での情報にもとづいています。
1. 公的年金「国民年金と厚生年金」とは?仕組みをおさらい
年金の仕組みは確かに複雑ですが、簡単に言うと「2階建て」の構造になっており、1階部分が国民年金、2階部分が厚生年金です。
国民年金と厚生年金が果たす役割について、それぞれ見ていきましょう。
1.1 国民年金(1階部分)の概要
1階部分である国民年金は、日本に住む20歳以上60歳未満の人全員が加入する必要がある年金保険です。
これにはフリーランスや自営業、無職の方も含まれます。
2024年度の保険料は月額1万6980円で(毎年度変更あり)、支払った金額に応じて受け取る年金額が決まり、2024年度の満額は月額6万8000円です。
1.2 厚生年金(2階部分)の概要
2階部分である厚生年金は、サラリーマンや公務員が加入するもので、国民年金に加えて支給される年金です。
保険料は給料やボーナスに基づいて支払われ、基本的には多くの収入を得るほど年金額も増えますが、上限が設定されていることも覚えておきましょう。
では、現在のシニア世代は実際にどれくらい年金を受け取っているのでしょうか。
厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考に、国民年金および厚生年金(国民年金を含む)の平均月額を確認してみましょう。
まずは「60歳代から80歳代」までの年齢別で年金額を見ていきます。