「少子高齢化」が今もなお現在進行形で進んでいる日本。社会保障制度や年金制度を今後も安定的に維持にしていくことは、日本の重要課題の一つでしょう。

それに加え、昨今の物価高の影響から出費を抑えている方も増えたのではないでしょうか。「人生100年時代」の現代において、すべての世代で老後への備えは他人事ではありません。

特に年金生活がはじまる60歳代の方でも、働き続けている人は年々増加しています。

9月15日に総務省より公表された「統計からみた我が国の高齢者」内の「高齢者の就業」データによると、65歳以上の就業率は2013年時点で約5人に1人(20.1%)だったところ、2023年時点で約4人に1人(25.2%)と増加しており、要国の中でも2番目に高い就業率となっています。

働く理由は、生きがいや健康維持を考慮してなど人それぞれかと思われますが、年金以外の収入を得ることで、日々の生活に余裕や潤いを得ようと考えて働いている人も多いのではないでしょうか。

その一方、70歳代でも貯蓄3000万以上のうらやましい夫婦世帯も一定数あるようです。

今回の記事では、今どきの70歳代の夫婦世帯の貯蓄がどれくらいあるのかを具体的に見ていきながら、老後の収入となる公的年金の受給額についても改めて確認していきたいと思います。

人生100年時代に備えていくためにも、現在の一般的な高齢世帯での貯蓄や年金のリアルを確認することで、ご自身の老後資金準備の参考にしてみてください。

1. 70歳代で「貯蓄3000万円以上」の夫婦世帯はどのくらい?平均と中央値はいくらか

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年)によると、70歳代・二人以上世帯で貯蓄3000万円以上あるのは約2割でした。およそ5世帯に1世帯となっており、70歳代で貯蓄3000万以上は難しいことがわかります。

1.1 【70歳代・二人以上世帯】の貯蓄3000万円の割合

  • 19.7%

1.2 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値

  • 平均:1757万円
  • 中央値:700万円

一方で、平均は1757万円、中央値は700万円まで下がるため、70歳代でも貯蓄額には世帯差が大きいことがわかります。