10月27日は衆議院議員総選挙があり、各党が掲げる経済政策に注目が集まりました。特に、物価高対策や消費税見直しといった消費に直接関わる政策も盛り込まれており、総選挙の結果次第で私たちの生活に影響を与える可能性があります。

今、私たちが老後生活を見据えた資金準備を考える上でも、物価上昇を見越して備えておくことが大切です。老後の収入と支出を比較し、不足する分が将来に向けて準備すべき資金額となります。

そこで、本記事では、65歳以上の無職夫婦世帯の平均的な生活費や年金月額に注目し、現在どのような収入と支出でやりくりしているかを確認していきます。

これを参考に、老後に必要な資金の目安を知り、備えに役立てていただければと思います。

1. 「65歳以上の無職夫婦世帯」の平均貯蓄額はいくら?

年々、年金だけでは不安を感じる高齢者が増えています。

65歳以上の無職世帯が実際にどのような貯蓄状況にあるのか、またシニア世代の家計収支について詳しく見ていきます。

年金収入だけでは生活が厳しい理由や、どのようにして生活費を補っているのかを明らかにしていきます。

【写真1枚目/全4枚】65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額。勤労世帯も含む貯蓄額は2枚目で紹介

65歳以上・無職夫婦世帯の平均貯蓄額

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」

総務省統計局の資料によると、65歳以上で無職の夫婦世帯の平均貯蓄額は2504万円でした。

平均貯蓄額は以下のように推移しています。

1.1 2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移

  • 2018年:2233万円
  • 2019年:2218万円
  • 2020年:2292万円
  • 2021年:2342万円
  • 2022年:2359万円
  • 2023年:2504万円

2018年から2020年までは貯蓄額が2200万円台で推移していましたが、2021年からは2300万円台に上昇し、2023年には2500万円台に達しました。

貯蓄額の増加にはいくつかの要因が考えられます。

主な要因としては以下のとおりです。

  • 年金不安

これらの要因が重なり、貯蓄額の増加に寄与していると考えられます。

  • 長寿化

平均寿命が延びる中で、長期間にわたって生活資金が必要とされるため、貯蓄を増やす必要性が高まっています。

  • 金融市場の影響

資産運用や投資を活発に行っている世帯については、金融市場の変動により資産価値が上昇し、貯蓄額が増加している可能性があります。

これらの要因が重なり、貯蓄額の増加につながっていると考えられます。

ここまで無職世帯の貯蓄額をご紹介しました。

続いて、65歳以上の「勤労世帯も含む」世帯の貯蓄額についても見ていきます。