2. 年金の予習:50歳を境に変わる「ねんきん定期便」の記載事項とは

毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」で、年金の見込み額を確認している方も多いのではないでしょうか。

この「ねんきん定期便」に記載される内容は、50歳を境に大きく変わります。

49歳までは「これまでの加入実績に基づく年金額」が記載されていますが、50歳以降は「現在の加入条件が60歳まで続いた場合の年金見込額」が表示されるようになります。

それまでは漠然としていた年金額が、50歳を迎えるとより具体的な見通しとして示され、現実味を帯びてきます。

この変化により、「現役最後のひと頑張りの時期が来た」と実感する方も多いでしょう。

老後に受け取る年金額は個人差が大きく、同じ厚生年金を受け取るサラリーマンであっても、年収や加入期間の長さに応じて大きな差が生じます。

そのため、自分の年金額を正確に把握し、老後の資金計画を立てることが重要です。

3. 【年金一覧】現シニアはどのくらいもらえている?厚生年金・国民年金の平均額

現在のシニア世代が受け取っている年金額について、厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに確認してみましょう。

公的年金の給付水準は、物価や賃金の変動に応じて調整されますが、現時点での受給額の実情を知ることは、現役世代が老後の資金計画を立てる際の指針となるはずです。

なお、国民年金と厚生年金の平均受給額だけでなく、個人ごとの受給額の差や男女間の違いにも目を向けてみると、より具体的なイメージをつかむことができるでしょう。

3.1 【一覧でチェック】国民年金の受給額ごとの受給権者数(1万円刻み)

【年金一覧表】国民年金の受給額ごとの受給権者数(1万円刻み)

【年金一覧表】国民年金の受給額ごとの受給権者数(1万円刻み)

出所:厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにLIMO編集部作成

  • 1万円未満:6万5660人
  • 1万円以上~2万円未満:27万4330人
  • 2万円以上~3万円未満:88万1065人
  • 3万円以上~4万円未満:266万1520人
  • 4万円以上~5万円未満:465万5774人
  • 5万円以上~6万円未満:824万6178人
  • 6万円以上~7万円未満:1484万7491人
  • 7万円以上~:178万3609人

3.2 国民年金(老齢基礎年金)の平均年金月額はいくら?

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

  • 〈男性〉平均年金月額:5万8798円
  • 〈女性〉平均年金月額:5万4426円

国民年金の平均年金月額は、男女全体および男女別でいずれも5万円台に収まっており、受給者が最も多いのは「6万円以上~7万円未満」の範囲です。

なお、2024年度の国民年金の満額(※)は6万8000円であり、多くの受給者が満額に近い金額を受け取れていることがうかがえます。

次に、厚生年金の受給額について見てみましょう。

※国民年金の満額:40年間(480カ月)の全期間、年金保険料を納付した人が受け取れる年金額