内閣府が公表した「高齢社会白書」によると、高齢者の就業率は増加傾向にあります。
70歳から74歳までの就業率は34.0%で、3人に1人が仕事をしている結果となりました。就業率が増加している背景には、年金だけで生活できない苦しい実情があるといえるでしょう。
では、70歳代で年金だけで生活している人はどの程度いるのでしょうか。
今回は、70歳代の貯蓄事情と、年金だけで生活している人の割合について解説します。
記事の後半では、年金生活をむかえる前に気をつけておきたいポイントについて解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 70歳代の貯蓄事情
金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査」をもとに、70歳代の貯蓄事情を確認しましょう。
1.1 2人以上の世帯
2人以上の世帯における70歳代の平均貯蓄額は、1757万円でした。貯蓄がない世帯の割合と3000万円以上ある世帯の割合を比べると、以下の通りです。
- 金融資産非保有:19.2%
- 3000万円以上:19.7%
貯蓄のない世帯と3000万円以上ある世帯の割合が、どちらも約20%となりました。
5世帯に1世帯が貯蓄のない世帯か、3000万円以上ある世帯になります。では、単身世帯だとどのような結果となるか確認しましょう。