3. 「住民税非課税世帯」に該当する条件とは
住民税非課税世帯に該当する要件として、ここでは東京都23区の例を紹介します。
(1) 生活保護法による生活扶助を受けている方
(2) 障害者・未成年者・寡婦又は寡夫で、前年中の合計所得金額が135万円以下(給与所得者の場合は、年収204万4000円未満)の方
(3) 前年中の合計所得金額が下記の方
- 同一生計配偶者又は扶養親族がいる場合:35万円×(本人・同一生計配偶者・扶養親族の合計人数)+31万円以下
- 同一生計配偶者及び扶養親族がいない場合:45万円以下
たとえば同一生計配偶者及び扶養親族がいないという場合、所得の目安は45万円以下となっていますね。
年収で考えると、所得の種類によって以下が目安となります(港区の例)。
- アルバイトやパートの給与収入が100万円以下
- 65歳以上で年金受給のみの人は、年金収入が155万円以下
- 65歳未満で年金受給のみの人は、年金収入が105万円以下
収入の種類によって目安となる収入額が異なります。これにより、年金を受給する高齢者の方が住民税非課税世帯に該当しやすいといえるでしょう。
課税世帯の割合は、厚生労働省の資料で確認することができます
4. 住民税”課税世帯”の割合「30歳代~80歳代」で比較
厚生労働省「令和5年国民生活基礎調査」より、年代別の住民税の課税世帯割合(全世帯に占める住民税非課税世帯の割合)を紹介します。
- 30歳代:88.0%
- 40歳代:90.0%
- 50歳代:86.4%
- 60歳代:78.3%
- 70歳代:64.1%
- 80歳代:47.5%
- 65歳以上(再掲):61.9%
- 75歳以上(再掲):50.9%
年代があがるにつれて、課税世帯の割合が減っていますね。その分、非課税世帯が多くなるとうかがえます。
高齢者ほど課税世帯が少なくなる要因を3つ挙げてみます。
- 収入が減る
- 住民税非課税世帯の目安となる「所得45万円」は、給与収入より年金収入のほうが高くなる
- 遺族年金は非課税
とはいえ、住民税非課税世帯の判定には資産の有無が問われません。
そのため、高齢者世帯の貯蓄事情が気になる方もいるではないでしょうか。
次章では、現在の70歳代の人が保有する金融資産について詳しく見ていきます。