2024年11月11日に、帝国データバンクが「カレーライス物価指数」調査を発表しました。
これは、カレーライスを調理するうえで必要な光熱費や原材料の価格を(全国平均)により算出したものです。
10月は1食364円に対し、最高値を更新しています。
長引く物価の上昇により、家計も厳しくなる一方です。今の生活が厳しいとなると、年金生活となる老後はさらに厳しくなるはずです。今のうちに対策を行うことが大切となってきます。
では、何から始めたらいいでしょうか。まずは、自分の老後の生活をイメージすることが大切です。ですが、なかなか先のことはイメージしづらいのが現状です。
そこで今回は、自分の老後生活をイメージしやすくするために、現在の平均年金額や、貯蓄額、生活費など現在の老後生活状況について詳しくみていきたいと思います。
1. 「65歳以上の無職夫婦世帯」貯蓄額は平均でどのくらい?
まずは総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2023年(令和5年)平均結果-(二人以上の世帯)」から、65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の貯蓄事情を見ていきます。
1.1 「65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)」貯蓄額は平均いくら?
65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の平均貯蓄額は2504万円(2023年)。平均額だけを見ると、ひところ夫婦の老後資金の目安の一つとして話題となった「2000万円」は超えていますね。
また、内訳を見ると定期性預貯金と通貨性預貯金が全体の63.9%を占めています。
平均貯蓄額の推移についても見てみましょう。
1.2 2018年から2023年までの平均貯蓄額の推移
- 2018年:2233万円
- 2019年:2218万円
- 2020年:2292万円
- 2021年:2342万円
- 2022年:2359万円
- 2023年:2504万円
2018年から2020年までは2200万円台だった65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の平均貯蓄額は、2021年に2300万円台に。2023年には2500万円を超えました。
定年退職金や相続資産など、長生きリスクに備えた自助努力として、貯蓄を丁寧に管理するシニアが増えていることがうかがえる結果であると言えそうです。
また、金融市場の変動により、保有する有価証券(株式や投資信託など)の資産価値が上がったという人もいるでしょう。
ちなみに、65歳以上の無職世帯(二人以上世帯)の貯蓄全体における有価証券の割合は上昇傾向にあります。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を活用した資産運用への関心が高まっていることとも、少なからず関連がありそうですね。
次では、勤労世帯も含めた「65歳以上の二人以上世帯全体」の貯蓄額についても見ていきましょう。