2024年9月13日、内閣府が「高齢社会対策大網」を発表しました。
この中で、現状の高齢化率が約29%に達し、2070年には38.7%にまで上昇するとの予測に。さらに、働き手となる若者は約1200万人も減少し、日本の経済規模が縮小していく懸念も示されています。
その一方で、興味深いデータも。高齢者のうち「働き続けたい」と考える人が9割近くに達しているのです。
筆者が接するお客様からも「老後の不安があるから、できるだけ長く働きたい」という声をよく聞きます。生活費だけでなく、趣味ややりたいことを楽しむためにも、安定した収入が必要ですよね。
老後の主な収入源は年金ですが、あなたは、自分が月々どれくらい年金をもらえるのか把握していますか?
そこで今回は年代別の年金受給額を詳しくチェックしつつ、記事の後半では老後資産づくりのポイントもご紹介。
将来への準備に役立つ内容となっているので、最後までチェックしてみてくださいね。
1. 《年金制度は2階建て》国民年金と厚生年金のしくみを復習
日本の公的年金制度は「国民年金と厚生年金」という2種類の年金から成り立つため、「2階建て構造」などと呼ばれますね。
国民年金と厚生年金のそれぞれの特徴を確認しながら、年金の基本を復習していきましょう。
1.1 国民年金(1階部分:基礎年金)の特徴
国民年金は、原則として「日本国内に住む20歳以上60歳未満の全員」が加入対象となります。年金保険料は全員一律で、2024年度は月額1万6980円です。
老後に受け取る年金額は、年金保険料の納付済月数に応じて決まります。
480カ月の全期間分の保険料を納めていれば、国民年金の満額(2024年度は月額6万8000円)を受け取れます。未納期間がある場合は、その月数に応じて満額から差し引かれるしくみです。
1.2 厚生年金(2階部分)の特徴
厚生年金は、公務員や会社員、一定要件を満たしたパート・アルバイトの人などが、国民年金に上乗せして加入し、老後は、国民年金との併給となります。
年金保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬に応じて決まるしくみです。よって基本的には、収入が高い人ほど年金保険料も高くなります。ただし、年金保険料を決める「標準報酬月額」「標準賞与額」には上限額が設けられています。
老後に受け取る年金額は、納付済の保険料をもとに決まるため、年金加入月数とその期間の収入が、老後の年金額に直結することになります。
では、今のシニア世代がどのくらい年金を受給しているのか、厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに見ていきましょう。