最近よく話題になる「億トレ」という言葉。株やFX、仮想通貨などのいわゆる「トレード」という手法で自分の生活を成り立たせることのできる人で、かつ億円単位で稼いでいる人のことを指します。そう聞くと、株やFXで生活できるなんていいな、と思う人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、多くの億トレを見てきた筆者の経験から、億トレになるための第一歩についてご紹介したいと思います。
少額で始めて「負けないマインド」を身につける
投資はデイトレードやスイングトレードと呼ばれる短期売買だけでなく、長期の取引を想定する場合にも少額から始めるのが基本です。何もわからない最初の段階で、今あるお金をすべて使うなんて無謀なことは普通しないとは思いますが、まずは自分が「ゼロになってしまってもいい」と思える金額でチャレンジしてみましょう。
株の世界で何億と稼ぐ人たちと、トレードに向いていない人たちの大きな差は「精神状態」です。トレードに向いていない人の特徴としては、「トレードのせいで他のことが手につかなくなる」という点が挙げられます。ついつい株価チャートで値動きを見てしまうとか、気になって仕方がなくてそわそわしてしまうという人はあまりトレードに向いていません。
もちろん訓練でなんとかなるところもありますが、相当のストレスを味わう可能性が高いでしょう。「お金を投じる」という行為に対して落ち着いていられるかという課題があるのです。
よく、「投資は賭けではない」と言われますよね。確かに、賭けではありません。しかし、初心者で右も左もわからない人がやるうちは、賭けのようなもの。そういう状態で落ち着いていられないとなると、その先が思いやられますよね。
こういう傾向の人はほとんどの場合、負けてしまいます。勝ったら勝ったですぐに大金を賭けるようになってしまうという面もありますから、まずは「負けないマインド」づくりをすることが重要です。そのためにも、最初は少額で始めてみて、負けないマインドを身につけるようにしましょう。
「マイルール」を決め、守る
トレードに必要なのが「マイルール」。毎月トレードに使うお金はいくらまでと決めたり、トレードする時間帯を決めたり、もっと具体的に言えば利益確定と損切のラインを決めておくといったことが挙げられます。もちろん、こうしたルールを決めることも非常に重要ですが、それ以上に「決めたルールをしっかり守ること」が必要なのは言うまでもありません。
トレードでは、勝つことよりも負けないことが大事です。つまり、大勝するのではなく、ちょっと増やすことが大事ということ。そうです、損をしないことが大切なのです。プラスマイナスゼロでもいいので、とにかく大きな損をしないことがカギになります。
大きな損をしてしまうと、次に踏み出すのが怖くなります。もちろん、トレードには失敗がつきものですから、いつかは大きな損をすることもあるでしょう。しかし、あまりトレードの波にもまれていない早い段階で大きな損をすると、身動きが取れなくなってしまいます。
とにかくルールを決めて、機械的にそれを守ること。「200円下がったら損切しよう」と決めたらきちんと損切注文を出す。100円上がったら利益確定しようと決めたら、「もっと上がるまで待とう」と考えるのではなく、きちんと利益確定を出す。つまり、欲張らないというシンプルなことが非常に重要になってくるのです。
「トレードにライバルはいない」と心得る
個人投資家によくありがちなのが、ほかの人を蹴落として勝ち上がろう、一人勝ちしようという心意気で相場に臨むことです。しかし、トレードではライバルはいないものと思ってください。他人の勝ち負けや儲けた金額はあなたの今後の人生になんら影響を及ぼしません。そういうことは必要のない情報なのです。
それなのに、いろいろな掲示板の書き込みを見て煽られたり、カッとなったり、SNSを眺めて人をうらやんだり憎んだりする人も少なくありません。
そんなことをしている時間があれば、少しでも勉強したり情報収集したりする時間に充ててください。他人を貶める時間よりも自分を育てる時間のほうがずっと大事ですし、ずっと有意義なはずです。そのあたりを冷静に見極められる人でない限り、トレードで億単位を稼ぐことはできないでしょう。
稼ぐ人のトレードに「プラスα」を
初めのうちは、誰か稼いでいる人のマネをしてトレードをすることが多いと思います。それはそれで、稼げる人の手法を学ぶことができるという大きなメリットがありますし、それで実際に勝てることもあります。
しかし、それだけで勝ち続けるのは難しいものです。ただマネをするだけではなく、自分なりに何か「プラスα」のものを見つけてトレードに生かすようにしてみましょう。
たとえば、その人が使うテクニカル指標だけを同じように見るのではなく、もう1つ別の指標でも分析してみる。もしくは、ファンダメンタル分析をプラスしてみる。そういうふうに、誰かの手法と自分の手法を混ぜてみることで新しい手法が見えてくるはずなのです。
自分なりにチャレンジしてみること、自分の中で常にアンテナを高くして様々な情報をキャッチすること。どれだけ貪欲に学べるか、いろいろなことを考えられるかがポイントとなります。
まとめ
いかがでしたか。億トレになることは当然、そんなに簡単なことではありません。億トレの人はほとんどの人がまじめで、何をさせても真剣に取り組むのだろうという人ばかりです。
逆を言えば、そういう人だからこそ、自分を律することが非常に重要になってくるトレードの世界で長く生き残り、そして勝ち続けることができるんですね。億トレになることは容易なことではありませんが、もし機会があれば、ぜひ一度億トレの人の話を聞いてみてはいかがでしょうか。
大塚 ちえ