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(初公開日:2024年10月15日)

老後の生活に欠かせない年金ですが、老後になって年金だけで生活はなんとかできるだろうと楽観的に考えている方は少ないと思います。

しかし、いまの日本では物価高騰などもあり、現役世代の生活でさえ、疲弊している世帯も多くあり、老後のことも考えたいところですがそれどころではないのが現状でしょう。

老後の生活が始まって年金だけで生活が立ち行かなくなってしまう可能性もあります。

そんな中で、年金が少ない高齢者世帯への年金の上乗せをする制度があるのを知っているでしょうか。

その名も「年金生活者支援給付金」です。普段の年金受給額に上乗せをし、生活費の補填をしていくものになります。

この給付金は、全年金受給者が対象というわけではなく、要件を満たす必要があります。

また、対象となっていても、自動的に振り込まれるわけではなく申請が別途必要となりますので注意が必要です。

では、この年金生活者支援給付金は一体どのような制度でどんな方が給付の対象となるのでしょうか。

本記事では、制度について確認していき、老後の生活に向けてどんな準備をしたらいいのか考察していきます。

1. 年に最大約6万円の支給「年金世帯」の支えとなる年金生活者支援給付金

年金生活者支援給付金は2019年10月1日にはじまった恒久的な制度で、支給要件を満たしている方は継続して受給できるのが特徴です。

消費税率が8%から10%に引き上げられた分を活用し、公的年金などの収入や、その他の所得が一定基準額以下の方へ向けて、生活の支援を図ることを目的に「年金に上乗せして支給」されます。

1.1 「年金生活者支援給付金」支給される口座・タイミング

  • 支給される口座:公的年金と同じ受け取り口座
  • 支給のタイミング:公的年金の受給日と同じ日に、年金とは別に支給される

次は、年金生活者支援給付金の「支給対象者」について見ていきます。

2. 年金生活者支援給付金の対象は?各種の給付金ごとにチェック

年金生活者支援金は「老齢年金生活者支援給付金」「障害年金生活者支援給付金」「遺族年金生活者支援給付金」の3種類となっています。

受給している公的年金の種類ごとに、支給対象となる「年金生活者支援給付金」の種類が異なります。

  • 老齢年金生活者支援給付金:老齢年金(国民年金)を受給中の方が対象
  • 障害年金生活者支援給付金:障害年金を受給中の方が対象
  • 遺族年金生活者支援給付金:遺族年金を受給中の方が対象

ただし、年金生活者支援給付金の支給対象となるのは、「公的年金などの収入や、その他の所得が一定基準額以下」となっており、後述する「要件を満たす」方です。

次は、具体的な受給要件を確認しましょう。

2.1 「老齢年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 「老齢基礎年金」を受給中の65歳以上の方
  • 支給対象者の、同一世帯の全ての方が市町村民税非課税
  • 前年の公的年金などの収入と、その他の所得の合計額が以下の支給要件に該当する

なお、支給要件において、前年の公的年金の収入に、障害年金・遺族年金などの非課税収入は含まれません。

1956年4月1日以前生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件

老齢年金生活者支援給付金:78万7700円以下
補足的老齢年金生活者支援給付金:78万7700円を超え88万7700円以下

1956年4月2日以後生まれの方|「老齢年金生活者支援給付金」支給要件

老齢年金生活者支援給付金:78万9300円以下
補足的老齢年金生活者支援給付金:78万9300円を超え88万9300円以下

2.2 「障害年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 「障害基礎年金」を受給中の方
  • 前年の所得が472万1000円(※)以下

障害年金などの非課税収入を除いて、前年度の所得が472万1000円以下となる場合、支給要件に該当します。

※扶養親族などの数に応じて増額

2.3 「遺族年金生活者支援給付金」の支給要件

  • 「遺族基礎年金」を受給中の方
  • 前年の所得が472万1000円(※)以下

遺族年金などの非課税収入を除いて、前年度の所得が472万1000円以下となる場合、支給要件に該当します。

※扶養親族などの数に応じて増額

次は「年金生活者支援給付金」の〈支給額の目安〉を確認します。