2024年10月10日、日本銀行は「生活意識に関するアンケート調査」の結果を公表しました。
それによると、1年前と比べて「支出が増えた」回答した割合は56.4%と、前回調査より2.1%減少したものの、50%を超える結果となりました。
1年前と比べて、支出を増やしたものについては、「食料品」との回答が最も多く54.0%、次いで「日用品(洗剤、雑貨等)」が35.0%、「自動車(ガソリン等、維持費用は含まない)」が15.2%となりました。
普段の生活のいたるところで物価上昇を感じている方も多いと思います。
止まらない物価上昇により、老後生活に不安を感じる方も増えているかもしれません。
そこで今回は、70歳代で貯蓄3000万円以上の世帯数や、年金受給額を見て、現在老後世帯を送っている方たちの現状を見ていきます。
ご自身の老後生活をイメージする参考にしていただければと思います。
1. 70歳代で「貯蓄3000万円以上」の夫婦世帯は約2割?平均と中央値のデータ
老後の資金、いくらあれば安心できるのでしょうか。
現役世代の今から準備していくとしても、その目標額をどれくらいにしたらよいのでしょう。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」(令和5年)を見てみると、70歳代の夫婦2人暮らし世帯の貯蓄額を知ることができます。
そのデータによると、貯蓄3000万円以上は全体の19.7%だとわかりました。
※「金融資産を保有していない世帯」を含めたデータです。
つまり、3000万円の貯蓄を持っているのは、約5世帯に1世帯だけということです。
1.1 【70歳代・二人以上世帯の貯蓄額】平均と中央値
- 平均:1757万円
- 中央値:700万円
ちなみに、貯蓄ゼロの世帯も含めた平均額は1757万円です。
中央値は700万円にとどまります。
3000万円という金額は、かなり高いハードルと言えますね。
続いて、シニア世帯の老後を資産とともに支えてくれる公的年金のデータを見ていきましょう。