4. 年金支給額が「約46万円」でも安心できない理由とは

年金支給日に「約46万円」が振り込まれても、それだけで安心できるわけではありません。

約46万円という金額は「夫婦2人の2ヶ月分の年金支給額」であり、1人あたりにすると「夫:16万2483円、妻:6万8000円」となります。

現役時代の収入と比べて大幅に減少するため、「現在の収入と比べてどれだけ収入が少なくなるか」を意識することが重要です。

また、ここでいう「約46万円」とは手取り額ではなく、額面の金額です。

実際には、税金や保険料が差し引かれた状態で振り込まれるため、受け取る金額はさらに少なくなります。

正確な振込額は、年金振込通知書で確認できます。

年金振込通知書

年金振込通知書

出所:日本年金機構「年金振込通知書」

年金受給前に年金見込額を確認できる、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」の金額も、額面で記載されているため、手取り額とは異なることに注意しましょう。

5. まとめにかえて

今回は、夫婦で「約46万円」と「約67万円」の年金を受給する人の違いについて解説しました。現役時代の働き方や収入が年金額に大きく影響するため、今後のキャリアを考える際には、年金の仕組みを理解したうえで計画を立てることが重要です。

2ヶ月に1度、46万円を受け取れるなら十分だと思う方もいるかもしれませんが、実際には年金から税金や社会保険料が差し引かれるため、手取り額は少なくなります。そのため、現役時代の生活水準を老後も維持するには、早期から計画的に準備をすることが欠かせません。

近年は「NISA」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」などの税制優遇が魅力的な制度が充実しており、2024年に始まった新NISAによって、さらに投資へのハードルが下がりました。こうした制度を活用しながら、資産形成に取り組むことが、理想的な老後生活への第一歩となるでしょう。

参考資料

本多 奈都子