3. 長期加入者特例の条件や金額
厚生年金に44年以上加入すると適用される長期加入者特例の条件は、以下のとおりです。
厚生年金の長期加入者特例の適用条件
- 44年以上厚生年金保険に加入していること
- 特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分を受給していること
- 男性は1961年4月1日以前、女性は1966年4月1日以前に生まれていること
厚生年金の長期加入者の特例は、特別支給の老齢厚生年金に対してのものです。よって、特別支給の老齢厚生年金を受けられる人でなければ、特例対象となりません。
また、上乗せで年金を受給するには実際に特別支給の老齢厚生年金を受給している必要があります。
厚生年金の長期加入者特例によって上乗せされる年金額は、以下の式で計算します。
厚生年金の長期加入者特例の計算方法
昭和31年4月2日以後生まれの方
- 1,701円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数
昭和31年4月1日以前生まれの方
- 1,696円 × 生年月日に応じた率 × 被保険者期間の月数
上乗せされる年金額は、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の計算を流用します。生年月日に応じた率とは定額部分の単価のことを指し、昭和21年4月2日以後に生まれた人は1.000を掛け合わせます。
また、被保険者期間の月数は最大480月までです。これは、44年以上のように480月以上の加入期間があったとしても、480月とみなして計算することとなっています。
たとえば、昭和31年7月1日に生まれた人で厚生年金の長期加入者特例が適用される場合は「1,701円 × 1.000 × 480月」で、年間81万6480円が上乗せされます。
月あたり約7万円が上乗せされる長期加入者特例ですが、デメリットも存在します。次章で見ていきましょう。