はじめに

あなたはグループ面接を受けたことはありますか。個人面接とは異なり、複数人での面接ですから、その雰囲気にのまれてしまったという経験をもつ人も多いのではないでしょうか。

この記事では、グループ面接の特徴や個人面接との違い、マナー、他の人と差をつけるポイントやディスカッション時の注意点などについてご紹介します。

目次

1. グループ面接とは?何をするの?
2. 個人面接とグループ面接の違い
3. グループ面接の流れとマナーを確認しよう
4. グループ面接で聞かれる質問を知り、対策しよう!
5. グループ面接でライバルに差をつけるポイントとは?
6. グループ面接に臨む前の前準備とは?
7. グループ面接でディスカッションをする時のポイントとは?

1. グループ面接とは?何をするの?

グループ面接とは、複数人の求職者が同時に受ける面接のことを指し、集団面接やグループインタビューとも呼ばれます。一般的に求職者4人~6人程度をひとつのグループとし、1人ないし複数人の面接官がついて行われるというスタイルが多いようです。

グループ面接では面接官が全員に同じ質問をしていきますので、回答内容によって求職者が相対的に評価されることになります。この場合、質問内容は主に自己PRや志望動機といった基本的なことになることが多いようです。

また、グループ内でディスカッションをさせられる場合もあります。その場合は、「積極的に自分の意見を言えるか」といった積極性だけではなく、「他の人を気にかけられるか。」といった協調性も判断基準となるようです。

企業がグループ面接を行う意図としては、個人面接にはない求職者同士のやり取りを確認して、コミュニケーション能力や社会人としての基礎力も合わせて知ろうとしているケースが多いようです。

2. 個人面接とグループ面接の違い

グループ面接と個人面接には以下の違いがあります。

面接の目的が違う

グループ面接は、大企業の一次面接など、就職希望者が多く、一人一人の面接をする時間がない場合に、早い段階で会社が欲しい人材をピックアップすることを目的として行われることが多いようです。

一方、個人面接は就職希望者が少ない企業や採用候補者を少数に絞った後の二次面接で利用されることが多いようです。

どちらも会社にふさわしい人材かを判断することに違いはないですが、企業が求職者のことをより掘り下げて理解しようとする場合には個人面接の方が適しているといえるでしょう。

面接時間が違う

グループ面接は、1組の時間が約30分から40分程度であることが多いようです。逆算すると、一人当たりの面接時間は約10分程度で、それ以外の時間は他の人が話している様子を聞くことになります。

一方、個人面接は、一人当たり約30分を目安にじっくり話すことが多いようです。グループ面接に比べ、より限られた時間で自分をアピールする能力を求められます。

3. グループ面接の流れとマナーを確認しよう

グループ面接は一通りの流れがある程度決まっています。それぞれの場面で適切な振る舞い、マナーがありますので、しっかりと頭にいれておきましょう。

入室前

まず、入室前からグループ面接は始まっていると思っていた方がいいでしょう。待合室での態度や姿勢が悪いなど、公衆面でのマナーができていないと、悪印象を与えることがあります。

入室

一般的には、入室の際には、先頭にいる人がドアを三回ノックし、面接官から「お入りください」などといった入室の許可を得てから面接室に入ることとされています。応答がない時にドアを開けてしまうのは、マナー違反になります。なお、この場合、ドアが開いていても、ノックをするようにしたほうがよいでしょう。

先頭の人がドアを開けた後は、一人ずつ「失礼します」とお辞儀と挨拶をしながら入室します。最後の人がドアを閉めることになりますが、この場合、音を立てずに丁寧に閉めること、なるべく面接官に背中を向けないことが注意点となります。

入室後

入室後は、先頭の人が一番奥にある椅子に進みます。全員が揃うまで立って待機し、面接官に「お座りください」と言われてから座るようにしましょう。

面接開始

面接では、多くの場合、入室した順番で質問の受け答えをしていくことになります。面接官によっては、ランダムに回答者を指定される場合もあります。待機をしている人の様子も面接官はしっかり見ていますので、話を聞くときの姿勢も大切です。

なお、挙手制で自分の意見を言うように指定された時は、積極的に発言するようにしたほうがよいでしょう。

退出

一般的に、退出時は、入室時と逆順でドアに一番近い人から出ていくことになります。椅子から立つときは、各自「ありがとうございました」という挨拶と、お辞儀を忘れないようにしましょう。

退出後

最後に退出した人がドアを閉めたあとは、全員、待合室まで静かに歩きます。このとき、歩きながら、面接の感想を話し合うことはマナー違反となります。

4. グループ面接で聞かれる質問を知り、対策しよう!

グループ面接でよく聞かれる質問がありますので、質問に対する回答を予め用意しておきましょう。
グループ面接は短い時間で答えるため、内容を簡潔にまとめなければなりません。回答時間は約90秒程度が適当とされています。短すぎても印象に残りませんが、答える時間が長すぎても良くありません。

自己紹介や自己PR

自己紹介はその人の第一印象につながります。自分の良い部分を端的に、かつしっかりと印象に残るようにPRできることが理想的です。必ずといっていいほど聞かれる内容ですから、存分に予行練習をしておくことをおすすめします。

今までに頑張ったこと

新卒採用の場合は学生時代に力を入れていたことや習い事、中途採用の場合はこれまで経験した仕事の内容を中心に話すのがおすすめです。資格や賞を持っているなら、積極的にアピールした方がいいでしょう。

自分の能力や人柄をアピールするためのいい材料となるため、長々と話してしまいがちですが、なるべく簡潔にまとめるのがポイントです。

志望動機

ほとんどの面接で聞かれる質問ですが、本などに書いてある例文を活用すると、他の人と内容が同じになることもあります。なるべく自分のオリジナリティを出した内容にしましょう。

よく面接を受ける企業の理念に共感したと答える人がいますが、これは他の人も同じ回答をする可能性が高い質問になります。企業の理念への共感を回答とするときは、なぜ自分にとって魅力的だと思うのか、独自の内容を織り交ぜるようにしたほうがよいでしょう。

グループ面接では他の人と意見が重なることが多々あります。話す内容を変更したほうがいいのかどうか迷うことがあるかもしれませんが、基本的には、自分が考えてきたことが他の人と被ってしまっただけであれば、他の人のことを気にする必要はありません。堂々と自分の意見として自信をもって発言をしましょう。

5. グループ面接でライバルに差をつけるポイントとは?

グループ面接でライバルに差をつけるためには、いくつかのポイントがあります。これらを意識して面接に臨むと、よりよい結果を期待できるかもしれません。

第一印象を大切に

入室の際に明るくハキハキとした挨拶をすると、第一印象が良くなるといわれています。表情はへらへらした感じはいけませんが、明るく感じの良い笑顔にすると、さらに印象がよくなります。

また入室時になるべく音を立てないようにするなど、マナーができているという点を印象づけることで、ポイントアップが期待できます。

自分が話す時は簡潔に、時間をとりすぎない

質問に答える時は、話す内容をしっかりまとめて約60秒~90秒以内で話しましょう。あまりにもゆっくり話して時間を取ってしまうと、逆に悪印象につながります。テキパキと回答できるよう、あらかじめ質問されそうな内容については、答えを考えておくのがおすすめです。

他の人が話しているときも油断しない

面接官は、他の人が話している時に待機している人の態度もみています。姿勢を崩す、つまらなさそうな表情をするなどして、印象を悪くしないように気をつけましょう。

意見を求められたら、積極的に発言しよう

自分の意見を自由に発言できる時間があるときは、積極的に発言しましょう。その際、他の人の意見と対立してしまうこともありますが、無下に否定をするのではなく相手の意見を認めていると伝えた上で、自分の意見を言うようにすると好印象を与えることができます。

6. グループ面接に臨む前の前準備とは?

身だしなみを整えよう

個人面接のときよりも、念入りに身だしなみを整えておきましょう。というのも、グループ面接の場合は、他の面接者と並ぶことになるため、身だしなみが整っていないと悪目立ちしてしまうからです。

男性の場合は長すぎない髪型にし、爪や歯もきれいにしておきましょう。また服装も汚れや乱れがないかをしっかりチェックしましょう。

女性は前髪を長くしすぎない、髪の毛で顔を隠しすぎないようにして、長い髪はまとめておくほうがスッキリとして好印象です。メイクは控えめにし、顔色がよく見えるように工夫してみましょう。

質問の答えを予め用意しておこう

よくある質問の答えを考えてあらかじめ作っておきましょう。自己紹介や志望動機、頑張ってきたことについては、質問される可能性が高いので、準備をしておくのが賢明です。

また面接で気持ちを伝えるには、棒読みではいけません。自分の言いたいことを表現するためには、答える内容を暗記するだけでなく、表情豊かに、抑揚をつけて言えるように練習しておきましょう。

グループ面接では、最後に面接官に質問をする時間が設けられることも多いようです。入社前に確認しておきたいことがあれば、このときに質問できるよう、質問内容をまとめておくことも、前準備になります。

7. グループ面接でディスカッションをする時のポイントとは?

グループ面接では、数人の求職者でグループを作り、テーマに沿って議論をするグループディスカッションが行われることがあります。ディスカッションの様子を確認されるだけの時もありますが、場合によっては、最後に議論した内容について、発表することを求められることもあります。

グループディスカッションにおける採点基準には、論理性や積極性・リーダーシップ・協調性といった項目があり、個々の求職者については、発言回数や内容・協調性などを見て判断されることが多いようです。

グループディスカッションでは、どれだけ論理的かつ分かりやすく自分の意見を言えるかが重要なポイントとなりますが、他にもいくつか高評価を得やすいポイントがありますので、ご紹介しておきます。

リーダーシップがある人は高評価を得やすい

積極的に発言をし、結論に向けてディスカッションを進めていくことができる、いわゆるリーダーシップがある人は、採点が高くなる傾向にあるようです。ディスカッションのリーダーになると全ての意見をまとめながら議題を結論付けることが求められます。自信がある人はトライしてみましょう。

なお、リーダーは自然と決まることもありますが、初めにリーダーを決めてからディスカッションを開始するように指定されることもあります。

他の人の意見をしっかり聞けているか

面接官は、他の人が発言した意見に耳を傾けているかという点もみています。反対の意見を言う時は、相手の意見を尊重している姿勢を見せることが大切です。自分の意見が正しいと主張するときに、他の全ての意見を否定しているだけだと、協調性や配慮する能力が低いと判断されてしまうようです。

ディスカッション中の態度に気をつけよう

ディスカッション中は参加をする意思があるかどうかといった点もチェックされています。発言をしていないときの態度にも気をつけるようにしましょう。例えば自分の意見を全く言わない、人の話を聞いていないとなると、協調性がないとみなされてしまうかもしれません。

良いディスカッションが面接合格への第一歩となります。たとえ同じ会社を受けるライバル同士であったとしてもグループディスカッションでは、全ての人が均等に意見を言える環境を作ることができるよう、お互い協力しあうことが大切です。

おわりに

グループ面接では、自分自身のセールスポイントだけではなく、協調性やコミュニケーション能力など、集団の中で必要とされる社会人スキルについてもアピールをすることになります。
万全の準備でグループに挑むためにも、今回紹介したグループ面接のコツや高評価につながるポイントなどを参考にしてみてはいかがでしょうか。

LIMO編集部