2. 「お金持ち」が「さらにお金持ち」に。増える富裕層・超富裕層世帯とその資産額

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

純金融資産保有額の階層別にみた保有資産規模と世帯数の推移

出所:株式会社野村総合研究所「野村総合研究所、日本の富裕層は149万世帯、その純金融資産総額は364兆円と推計」

さらに、富裕層・超富裕層が保有する純金融資産総額も増加し続けています。

  • 2015年:272兆円
  • 2017年:299兆円
  • 2019年:333兆円
  • 2021年:364兆円

2019年から2021年にかけて、富裕層・超富裕層が保有する純金融資産の総額は合計額は9.3%増加し、364兆円に。マス層までの全世帯の純金融資産額1632兆円のうち22.3%が、富裕層・超富裕層世帯に集中している点も看過できないと言えそうです。

推移を見ると、富裕層・超富裕層と呼ばれる世帯の数、そしてその純金融資産はいずれも増加傾向にあります。その背景のひとつとして、有価証券などの資産価値の上昇を挙げることができるでしょう。

同レポートでは「富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行した」と分析されています。

少子化が進むこんにち、被相続人一人あたりの相続人の数が減少傾向にあることとも関係ありそうですね。「お金持ちがさらにお金持ちになる」現象が起こりやすくなっていると言えそうです。

さて、「富裕層」「お金持ち」の基準として、資産額とともに「収入」が挙げられますね。次ではそのあたりも深掘りしてみましょう。