2. 国民年金月6万円だと約8万5000円の赤字に

現役時代に自営業やフリーランス、個人事業主などの方は、国民年金に加入します。20歳から60歳の40年間加入し、毎月保険料を払い込みます。なお、令和6年度の保険料は1万6980円です。

2.1 国民年金は満額で月6万8000円

国民年金は、原則として65歳から受給開始します。受給できる金額は、保険料を40年間納めた場合でも月額6万8000円(令和6年度)で、年額では81万6000円です。

月額6万8000円だけで生活費をすべてカバーすることは難しいといえます。では、65歳以上のおひとりさまの生活費はどのくらいかかるのか、確認していきましょう。

2.2 おひとりさまの必要な生活費は約14万5000円

総務省統計局が公表した「家計調査報告 家計収支 2023年(令和5年)平均結果の概要」 によると、65歳以降のおひとりさまの1ヵ月の生活費は、平均14万5430円です。

65歳以上おひとりさまの1カ月の家計収支

65歳以上おひとりさまの1カ月の家計収支

出所:総務省統計局「家計調査報告 家計収支 2023年(令和5年)平均結果の概要」

詳しい内訳は以下のとおりです。

  • 食料:4万103円
  • 住居:1万2564円
  • 光熱・水道:1万4436円
  • 家具・家事用品:5923円
  • 被服・履物:3241円
  • 保健医療:7981円
  • 交通・通信:1万5086円
  • 教養・娯楽:1万5277円
  • その他の消費支出
  • (うち交際費:1万5990円)
  • (うち仕送り金:1010円)
  • (うち諸雑費: 1万3803円)

食費が4万103円と最も多くを占めており、交通・通信費や教養・娯楽費、交際費が1万5000円程度かかっています。

なお、この調査結果では住居費が1万2564円と出ていますが、居住エリアや物件によってはこれ以上の金額を支払うケースも多く、さらに生活費がかかることも考えられます。