日本年金機構によると、令和6年4月分からの年金額は、令和5年度と比べて2.7%の引き上げとなりました。
ただし、注意したいのが物価の上昇で、これを踏まえると実質的には増額とは言い切れないでしょう。
このようなことから、今の生活だけでなく、セカンドライフである、老後の生活も不安になる方も多いのではないでしょうか。
老後生活は、資産を作ることのできる現役時代とは逆に、資産を崩しての生活が基本となってきます。
そしてその資産に加え、老後中心となってくる収入は、年金となってきます。年金だけとなると、今よりも収入が減る可能性が高くなります。
なので、現役時代のうちに資産を準備をしておくことが、とても重要となります。
理想の老後生活を送るために、まずは基本的な老後の収入と、そこからかかる税金について理解を深めていきましょう。
1. 老齢年金も《手取りと額面》があった!天引きされる4つのお金とは
働いていると、毎月の給与から天引きされるお金がありますね。
シニア世代は老齢年金を受け取っていますが、この年金からも税や社会保険料など天引きされているということをご存じでしょうか。
天引きは市役所などの公的な書類では「特別徴収」と言われますが、老齢年金から特別徴収される4つのお金について、見ていきましょう。
1.1 【老齢年金からの天引き】①個人住民税および森林環境税
一定の条件を満たす場合、前年中の所得にかかる住民税が、年金から特別徴収されます。
森林環境税は年額1000円が課税されます。
※非課税となる場合には、支払い義務は発生しません。
1.2 【老齢年金からの天引き】②所得税および復興特別所得税
「雑所得」扱いとなる老齢年金からは、所得税および復興特別所得税も天引きされます。
1.3 【老齢年金からの天引き】③介護保険料
介護保険料は、64歳までは健康保険料と合わせて納付していました。
しかし、65歳以降は単体で納付します。
年金支給額が年額で18万円以上であれば、介護保険料は年金からの天引きになります。
また、要介護・要支援認定を受けたあとも、介護保険料の支払いは一生続く点には注意が必要です。
1.4 【老齢年金からの天引き その4】④健康保険料
国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険料についても、年金からの天引き納付が原則となります。
このように、天引きされるお金は年金通知書に記載されることになります。
現役時代にも給与明細には、控除される各種税や社会保険料が記載されていますね。年金にも、「額面」と「実際の振込額」があるのです。
では続いて、「次の10月に支給される年金」より年金の振込額に変化が起こることについて、詳しく見ていきましょう。