2024年10月10日、株式会社帝国データバンクは「「カレーライス物価指数」調査(2024年8月)」を発表しました。
カレーライス物価指数とは、同社が独自で試算したもので、生鮮食品などの値上げを加味した食卓への影響度を示しています。
2024年8月のカレーライス物価は1食あたり348円。前年同月比は304円でしたので1年間で14.5%上昇していることになります。
一方で収入は思うように増えていないという世帯が多いでしょう。公的年金においても同様です。2024年度は前年の物価や賃金の動向を背景に年金額が増額改定されましたが、物価上昇率を下回る水準でした。
少子化が進み、将来的には公的年金の支給水準が引き下げられると予想される中、こうした物価上昇も考慮して老後の準備を進める必要があります。
本記事では、現在のシニア世代の公的年金「国民年金・厚生年金」の平均月額を確認します。老後対策の参考にご覧ください。
1. 日本の公的年金制度は「2階建て構造」
日本の公的年金制度は、国民年金の上に厚生年金が乗る「2階建て構造」となっています。
1階部分の国民年金と、2階部分の厚生年金について、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
1.1 基礎となる1階部分は「国民年金」
- 原則的に、日本国内に住民登録のある、20歳以上60歳未満の全ての人に加入義務がある
- 保険料は年齢や所得にかかわらず一律(年度ごとに改定あり)※2024年度は月額1万6980円
- 将来もらえる年金額は保険料の納付期間によって決定される※2024年度の満額は月額6万8000円
1.2 上乗せとなる2階部分は「厚生年金」
- 会社員・公務員などが国民年金に上乗せする形で加入する
- 保険料は毎月の給与や賞与などの報酬額に応じて変動する(上限あり)
- 国民年金に上乗せして、加入期間や保険料の納付額に応じた年金額が支給される
2階建て構造の土台となる国民年金の保険料は、年齢や所得によらず一律の金額です。将来的に受け取る年金額にも比較的個人差は生じにくく、主に保険料を納めた期間の長さで受け取れる金額が決まります。
一方で、上乗せ部分となる厚生年金は、保険料を納付した金額が多いほど、受け取る年金額も多くなる仕組みです。そのため、保険料を納めた期間の長さだけでなく、毎月の給料や働き方によっても貰える金額が大きく変動します。
受け取れる年金額は人それぞれといっても、目安となる金額は早いうちから把握しておきたいものです。実際のところ、国民年金と厚生年金は、それぞれどのくらい貰えるのでしょうか。
厚生労働省が公表している「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとにして、国民年金と厚生年金の平均月額はいくらになるのか、60歳代から80歳代まで年代別に確認していきましょう。