2024年10月10日、株式会社帝国データバンクはカレーライスで使用する原材料や、調理にかかる水道光熱費などを独自に試算した指標「カレーライス物価指数」を発表しました。
1食当たりのトータルコストであるカレーライス物価は348円(2024年8月)。比較可能な2015年以降、5カ月連続で最高値を更新しています。コメ不足による「ライス」の価格高騰が大きく影響していると考えられます。
物価上昇による家計へのダメージが続く昨今。老後に向けた資産形成においても、こうした物価上昇を考慮しておく必要があるでしょう。
本記事では、老後対策を進めるにあたり把握しておくべき老齢年金の平均値を詳しく見ていきます。また、年金額を増やす方法の1つである「年金の繰下げ受給」についても解説していますので、参考にご覧ください。
1. 日本の公的年金制度のキホン
日本の公的年金は国民年金と厚生年金から成ります。
20歳以上60歳未満の日本に住む全ての人が原則として加入するのが国民年金。一定の要件を満たす人は、国民年金に加えて厚生年金にも加入します。
つまり、現役時代には「国民年金」のみに加入する人と、「国民年金+厚生年金」に加入する人がいるのです。
公的年金には「老齢年金・障害年金・遺族年金」がありますが、本記事では老齢年金に絞って解説していきます。
では、老齢年金「国民年金・厚生年金」にはどのような違いがあるのか。確認していきましょう。
1.1 国民年金(老齢基礎年金)
- 原則、日本に住む20歳以上60歳未満の全員が加入
- 保険料は一律(2024年度:月額1万6980円)
- 保険料納付期間に応じて、将来もらえる年金額が決まる
1.2 厚生年金(老齢厚生年金)
- 公務員やサラリーマンなどが国民年金に上乗せする形で加入
- 収入に応じた保険料を支払う(上限あり)
- 加入期間や納付額に応じて、将来もらえる年金額が決まる
なお、老齢基礎年金は、保険料納付済期間(保険料免除期間なども合算)が10年以上ある場合に、原則、65歳から受け取ることができます。老齢厚生年金は老齢基礎年金の受給資格がある人が、老齢基礎年金に上乗せする形で受け取ることができます。
上記のとおり、加入対象者や保険料、年金額の計算方法が異なる国民年金と厚生年金。老後に受給できる年金額にはどのような違いがでるのでしょうか。