7. 冬季加算の課題と現状
生活保護制度における冬季加算には、今回説明した通り地域や人数による加算額の格差が発生します。そのため、「区分や級地、世帯構成人数別の加算額が妥当であるかどうか」「夏季に増加する費用とのバランスがとれているのか」といった論点が生じます。
これらの論点を適切に検討するため、厚生労働省では地域ごとの消費額や光熱費支出などの検証を行い、加算額の妥当性が保たれるようにしており、今後も各市区町村ごとの支出額の分析などを行い、区分や級地の変更も考えることを検討しています。
8. 冬季加算は生活保護受給者にとって重要な支援
冬季加算は生活保護受給者にとって冬季の生活を支える重要な支援です。地域や世帯構成、住居の種類によって金額が異なるため、該当の世帯は自身の状況に応じた正確な情報を把握して冬季の生活設計をしましょう。
また、今は該当でない世帯においても生活保護制度に関する理解や経緯の理解を深めることで、必要なときに適切な対応をすることができるようになります。ぜひ頭に入れておきましょう。
※金額や要件などは自治体等によって異なるので、個別の相談・お問い合わせにはお答えできません。
参考資料
- 政府統計「令和6年度被保護者調査 結果の概要」
- 厚生労働省「生活保護制度」
- 厚生労働省社会・援護局保護課 第19回社会保障審議会生活保護基準部会資料「冬季加算について」
- 厚生労働省社会・援護局保護課 第3回社会保障審議会生活保護基準部会資料「生活保護制度における地域差等について」
- 厚生労働省「生活保護法による保護の基準」
- 厚生労働省「2023(令和5)年4月1日施行生活保護実施要領等」
斎藤 彩菜