公的年金は、将来の生活や万が一の事態に備えるための重要な制度です。
老後、終身で支給される「老齢年金」は、リタイア後の生活を支える大切な収入源となるでしょう。
しかし、年金額は受給開始が決定するまで明確にわかりません。ねんきん定期便やねんきんネットで見込額を確認できますが、税金や社会保険料が天引きされることもあり、実際にいくら振り込まれるかを現役時代に把握できないのです。
そのため、現役世代の人たちは老後対策を進めるにあたり、ねんきん定期便やねんきんネットで見込額を把握し、手取り額がどのくらいになるかを想定しておくことが重要です。
本記事では、老齢年金「厚生年金・国民年金」の平均月額や、ここから天引きされる4つのお金を確認していきます。また、年金が少ない人を対象とした給付金制度「年金生活者支援給付金」についても解説していきます。
1. 厚生年金の平均月額はいくら?
最初に、現シニア世代の人たちが受給する年金がどのくらいか、厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」の資料をもとに確認していきましょう。
- 〈全体〉平均年金月額:14万3973円
- 〈男性〉平均年金月額:16万3875円
- 〈女性〉平均年金月額:10万4878円
※国民年金部分を含む
1.1 受給額ごとの人数(全体)
- 1万円未満:6万1358人
- 1万円以上~2万円未満:1万5728人
- 2万円以上~3万円未満:5万4921人
- 3万円以上~4万円未満:9万5172人
- 4万円以上~5万円未満:10万2402人
- 5万円以上~6万円未満:15万2773人
- 6万円以上~7万円未満:41万1749人
- 7万円以上~8万円未満:68万7473人
- 8万円以上~9万円未満:92万8511人
- 9万円以上~10万円未満:112万3972人
- 10万円以上~11万円未満:112万7493人
- 11万円以上~12万円未満:103万4254人
- 12万円以上~13万円未満:94万5662人
- 13万円以上~14万円未満:92万5503人
- 14万円以上~15万円未満:95万3156人
- 15万円以上~16万円未満:99万4044人
- 16万円以上~17万円未満:104万730人
- 17万円以上~18万円未満:105万8410人
- 18万円以上~19万円未満:101万554人
- 19万円以上~20万円未満:90万9998人
- 20万円以上~21万円未満:75万9086人
- 21万円以上~22万円未満:56万9206人
- 22万円以上~23万円未満:38万3582人
- 23万円以上~24万円未満:25万3529人
- 24万円以上~25万円未満:16万6281人
- 25万円以上~26万円未満:10万2291人
- 26万円以上~27万円未満:5万9766人
- 27万円以上~28万円未満:3万3463人
- 28万円以上~29万円未満:1万5793人
- 29万円以上~30万円未満:7351人
- 30万円以上~:1万2490人
※国民年金部分を含む
厚生年金は、現役時代に会社員や公務員など、厚生年金に加入して働いていた人が受給する年金です。
なお、日本では原則として20歳以上60歳未満の全ての人が国民年金に加入する義務があるため、この間、国民年金に上乗せする形で厚生年金にも加入します。
老後は、国民年金+厚生年金を受給できるため、上記の平均年金月額には国民年金が含まれる点にご留意ください。
厚生年金の年金額は、現役時代の年金加入期間や保険料により計算されます。この保険料は、毎月の給与や賞与などの報酬により決定するため、厚生年金の受給額は現役時代の働き方や収入の影響が大きいことを理解しておきましょう。
次に、国民年金の平均月額を確認します。