厚生労働省の「第18回社会保障審議会年金部会2024年9月20日」によると、「公的年金シミュレーター」で実際に年金額の試算が行われた回数は既に500万回を超えており、多くの方が自身が将来受け取れる年金額について興味を抱いていることが分かります。
最近は、65歳を過ぎても働きにでるシニアが多いもの。普段はファイナンシャルアドバイザーとして勤務している筆者ですが、年金生活になってから老後の生活の厳しさを実感したという高齢者の声を聞くことも珍しくありません。
今回は、いまのシニアの年金事情を見ていきながら老後への備えの必要性について考えていきたいと思います。
1. 公的年金の仕組みをおさらい!国民年金と厚生年金は「2階建て」
まずは、公的年金制度について確認しておきましょう。
日本の年金は「国民年金(基礎年金)」と「厚生年金」の2種類から成り立っており、これらは2階建て構造となっています。
1.1 1階部分:国民年金(老齢基礎年金)
国民年金は、日本に住む20歳から60歳までのすべての人が原則加入対象です。
保険料は全員一律で、仮に40年間欠かさず保険料を納めれば、満額が受け取れます。
1.2 2階部分:厚生年金(老齢厚生年金)
厚生年金は、会社員や公務員、またパートで特定適用事業所で働き一定要件を満たした方が、国民年金に上乗せで加入できる年金保険です。
保険料は、収入に応じて(上限あり)変動があり、加入期間や納めた保険料により個人差が大きく出やすいのが特徴です。
次章にて、厚生年金・国民年金の平均年金月額をみていきましょう