4.2 70歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額と貯蓄割合

次は、70歳代の〈二人以上世帯〉における平均貯蓄額を見ていきましょう。

  • 金融資産非保有:19.2%
  • 100万円未満:5.6%
  • 100~200万円未満:5.1%
  • 200~300万円未満:4.3%
  • 300~400万円未満:4.7%
  • 400~500万円未満:2.5%
  • 500~700万円未満:6.2%
  • 700~1000万円未満:5.8%
  • 1000~1500万円未満:10.2%
  • 1500~2000万円未満:6.6%
  • 2000~3000万円未満:7.4%
  • 3000万円以上:19.7%

平均:1757万円
中央値:700万円

70歳代は、単身世帯と二人以上世帯において、《貯蓄がある世帯》と《貯蓄がない世帯》で二極化しています。

具体的には、単身世帯の26.7%は貯蓄ゼロである一方、25.5%が貯蓄2000万円~3000万円以上を保有しています。

また、二人以上世帯では貯蓄ゼロ世帯の割合は19.2%。一方で貯蓄3000万円以上の世帯が19.7%存在します。

高齢者世帯において、他の年代と比べ住民税非課税世帯が多いが多い傾向にあります。しかし貯蓄額分布を見てみると、実際の資産状況は世帯によってさまざまであることも分かります。

5. 「人生100年時代」を豊かに過ごすために

政府による「10万円給付」は、住民税非課税世帯にとって大きな支援となりますが、それだけでは老後の生活資金を十分にカバーすることは難しいかもしれません。

現在、「人生100年時代」と言われるようになり、長寿化に伴い老後の支出が増え続けています。さらに、高齢化社会の進行により、介護費用の準備も必要です。

介護を必要とする高齢者の数が増加する一方で、介護を提供する人材の不足が深刻であり、これが介護費用の増加につながる懸念もあります。より質の高い介護サービスの提供や人材確保にはコストがかかり、その負担が個々人にも及ぶ可能性が高いです。

こうした背景から、老後資金をしっかりと準備するためには、金融資産を効率的に増やすことが不可欠です。銀行預金は安全性が高いものの、低金利が続く日本では資産を大きく増やすことは難しいのが現状です。

そのため、多くの人がNISAやiDeCo(個人型確定拠出年金)など、税制優遇制度を活用して資産運用を始めています。これらの制度を活用することで、少額からでも資産を効率的に増やすことが可能です。

老後や将来のライフプランを考え、必要な資金をしっかりと見積もることが重要です。この機会に、ライフプランを作成し、将来に備えた資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

参考資料

野平 大樹