2. 年金生活者の生活費とその内訳
では次に年金生活者の実際の生活費とその内訳について見ていきましょう。
上図の総務省から発表された「家計調査報告 〔 家計収支編 〕 2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、老後(65歳以上)の生活費は夫婦2人暮らしで28万2497円、1人暮らしで15万7673円となっています。
いずれのケースも食費が最も大きな割合を占め、次いで交通・通信費、光熱・水道費の順となっています。
住居費は夫婦のみ世帯が1万6827円、単身世帯が1万2564円であるため、多くの高齢者が持ち家に住んでいることが推測されます。
そのため、住宅ローンの支払いが残っている場合や賃貸住宅に住んでいる場合、住居費の負担はさらに増加し、必要な生活費もそれに応じて高くなるでしょう。
このように、平均的な生活費に対して実際の平均収入は依然として不足しており、毎月約3~4万円の赤字が生じている状況です。この収支の差額は前年をさらに上回る水準に達しています。