ゆうちょ銀行は顧客からあずかった「貯金」等の資産運用先として、「投資信託」が大きな運用先となっています。ゆうちょ銀行は一体どのような運用をしているのでしょうか。同行の最新の有価証券報告書を見ながら整理しましょう。

ゆうちょ銀行が保有する投資信託は39兆円

ゆうちょ銀行の2018年3月期の有価証券報告書によれば、「運用資産の状況」として2018年3月末の運用資産として開示がされているのが、207.7兆円。対前年度末が207.2兆円ですので、やや増加しています。

そのうち「投資信託」が2018年3月末が39.0兆円とされており、対前年度末が32.7兆円であることを考えれば約19%程度も増加していることになります。

もっとも、この「投資信託」はゆうちょ銀行の運用資産の中でも目立つ存在です。以下に、ゆうちょ銀行の運用資産ごとに整理をしてみましょう。

  • 国債:62.7兆円(30.2%)
  • 投資信託:39.0兆円(18.8%)
  • 外国債券:20.4兆円(9.7%)
  • 社債:10.5兆円(5.0%)

運用資産全体が207.7兆円ですから、「投資信託」は運用資産全体の19%程度を占めることになります。資産別に言えば第2位の存在となっています。ちなみに、カッコ内は運用資産全体に占める比率を示しています。

ゆうちょ銀行のポートフォリオは国債から投資信託へ

2017年3月末から2018年3月末との運用資産の構成の変化を見ると、一言でいえば「国債から投資信託へのシフト」といえます。国債を6兆円ほど減らし、投資信託を6兆円程度増加させています。つまり、投資行動からすれば、国債から投資信託への入れ替えです。

こうしてみるとゆうちょ銀行は機関投資家でありながら非常に大きな投資信託の買い手ともいえます。大口の投資家であるゆうちょ銀行が保有している投資信託の内容について詳細に知りたいものです。

青山 諭志