老後の生活に欠かせない年金ですが、年金とその他の所得が少ない世帯には、上乗せで支給される給付金があることをご存知でしょうか。
通常、年金は偶数月に2か月分が受け取れます。この年金に上乗せされる形で、要件を満たす方は「年金生活者支援給付金」を受け取ることができます。
2019年に消費税引き上げ分を財源としてスタートした給付金制度ですが、現在もなお、物価高騰など日々の生活に大きな影響を与えています。年金生活者の中には生活が困窮している世帯もあるでしょう。
この「年金生活者支援給付金」は、どんな条件であれば対象となるのでしょうか。
また、年金制度についても確認していきながら、対象となる世帯とそうでない世帯では年金受給にどのくらいの差があるのかも掘り下げていき、将来訪れる老後生活への備えについて考察していこうと思います。
1. 「年金生活者支援給付金」とは?年に約6万円が年金に上乗せされることも
「年金生活者支援給付金」とは、年金収入やその他の所得額が一定基準額以下の年金生活者を支援する目的で、年金に上乗せして支給される給付金です。
上記の給付金は、2019年10月1日にスタートしたまだ比較的新しい制度となっているため、年金生活者でも「知らなかった」という方もいるでしょう。
年金生活者支援給付金は、受給する年金の種類に応じて、3つのタイプに分かれています。
1.1 年金生活者支援給付金の種類
年金生活者支援給付金には下記の3種類があり、それぞれ受け取る年金種類によって分かれます。
- 老齢年金生活者支援給付金:老齢年金(国民年金)を受給
- 障害年金生活者支援給付金:障害年金を受給
- 遺族年金生活者支援給付金:遺族年金を受給
上記のいずれかの年金を受給しており、一定の要件を満たしている年金受給者を対象に、年金生活者支援給付金が支給されます。
なお、制度創設時期での試算によると、老齢年金生活者支援給付金の対象者は約610万人、障害年金生活者支援給付金と遺族年金生活者支援給付金の対象者はあわせて約200万人でした。
次章にて、年金生活者支援給付金の要件について詳しく見ていきましょう。