2025年問題。これは、「団塊の世代」と呼ばれる約800万人もの人が2025年に後期高齢者(75歳)になることで、年金受給額の減少や社会保険費の負担増など様々な影響が出ることを指しています。
年金制度は、自分が支払った年金保険料を将来の自分の為ではなく、今の受給者に充てる「賦課方式」という方式になっています。つまり、年金を納める人よりも受け取る人の方が多くなると、受給できる金額が少なくなってしまう恐れがあるのです。
それゆえ、少子化と超高齢社会が同時に起こっている日本においては、年金制度に対して不安を覚える人も少なくないでしょう。
年金の受給額には大きな個人差があります。住民税が非課税になる人もいれば、厚生年金を月額30万円以上受給している人もいます。
しかし、年金だけで月額30円を受給できる人はそう多くありません。では、「月額30万円以上」の高額受給者は、一体どのくらいいるのか、厚生労働省の資料をもとに見ていきましょう。
1. 多い?少ない?厚生年金の平均月額は「14万3973円」
厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2022年度の厚生年金の平均受給額は14万3973円でした。(※厚生年金の年金額には国民年金が含まれます)
【厚生年金の平均月額】
- 男女全体平均月額:14万3973円
- 男性平均月額:16万3875円
- 女性平均月額:10万4878円
厚生年金の全体平均月額は約14万円ですが、男性の平均は約16万円、女性の平均は約10万円と男女差が大きくなっています。
現在のシニア世代が若かった頃は、共働き世帯が少なく、女性は結婚や出産を機に厚生年金を脱退することが一般的でした。
さらに男女で収入の差もあったため、厚生年金額の男女差が大きくなったと考えられます。
では、厚生年金の平均額14万円の約2倍となる30万円もの年金を受け取れる人はどれほどいるのでしょうか。
次章にて、厚生年金「月額30万円以上」を受給する人の割合を見ていきましょう。