近年、管理職になりたくない若者が増加していると言われています。
その背景には、管理職業務の複雑化・高度化、業務負荷の増大により、ワークライフバランスを重視する若者とのギャップが生まれていることなどが挙げられます。
そういった状況を踏まえて、組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT株式会社が「管理職意識調査」を行い、管理職が抱える悩みや課題についてまとめています。
最新の管理職意識調査の結果と合わせて、役職別の平均賃金も見ていきましょう。
1. 役職別の平均賃金
厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」から、役職別の平均賃金を見てみます。
1.1 男性の役職別平均賃金
- 部長級:60万4100円
- 課長級:50万700円
- 係長級:38万2300円
1.2 女性の役職別平均賃金
- 部長級:52万1000円
- 課長級:43万800円
- 係長級:33万5900円
1.3 男女計の役職別平均賃金
- 部長級:59万6000円
- 課長級:49万800円
- 係長級:37万800円
役職別の平均賃金を見るとわかるように、昇進するにつれて報酬も増えていく傾向にあります。
もちろん企業によって待遇は異なるので、ベースとなる給料や昇進時の増加幅は大きく異なる可能性があります。
また、昇進によって責任も増えるのが一般的であり、それによって悩みや課題が増えていくケースは多いでしょう。
次章にて、管理職が抱える悩みや課題について見ていきます。
2. 管理職が抱える悩みや課題とは?
組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT株式会社が、現在の管理職の悩みについて調査(2024年9月5公表)したところ、以下のような結果になったそうです。
<管理職の悩み>
- 部下の育成:55.2%
- 部下とのコミュニケーション:30.4%
- 部下の評価・フィードバック:27.4%
- 目標設定や業務計画の立案:23.7%
- 部門・チームの方針や戦略の浸透・伝達:23.4%
- 部門・チームの成果達成:23.4%
- 自身の専門知識の習得及びスキルの向上:21.7%
- 自身の判断力:21.1%
- 部門・チームの方針や戦略の立案:20.1%
- 業務量に対する時間の不足:19.7%
- 他部門との調整・交渉:18.7%
- 自身の経営知識の習得:18.1%
- 自身のストレスマネジメント:14.7%
- 部下同士のコミュニケーション:14.4%
- 上司とのコミュニケーション:14.0%
- 会社の業績/将来:13.4%
- 自身のキャリア:8.4%
- 特に悩みはない:2.7%
最も多かった回答は「部下の育成」の55.2%と、全体の半数を超えていることがわかります。
続いて「部下とのコミュニケーション」が30.4%、「部下の評価・フィードバック」が27.4%となっています。
2.1 【ステージ別】管理職の悩み
管理職には「新任管理職」「ベテラン管理職」「幹部候補」の3つにステージがあり、それぞれ悩みや課題に違いがあります。ステージ別の悩みも見てみましょう。
新任管理職では自身の判断力や部下への評価・フィードバック」について悩みを抱える傾向にあるようです。
ベテラン管理職になると部下とのコミュニケーションに対する悩み、そして幹部候補になると、部門・チームの成果達成に対する悩みが多くなっています。
2.2 【ステージ別】知識・スキルの課題を感じる場面
知識・スキルの課題を感じる場面をステージ別に見ると、各ステージ共通して「上司や会社から求められる立場・役割を果たすとき」が最も多くなっています。
新任管理職は、「上司や会社から求められる立場・役割を果たすとき」の49.1%に次いで、「管理職として判断が求められるとき」が46.4%と高い割合を示しています。
ベテラン管理職は、「上司や会社から求められる立場・役割を果たすとき」が43.1%、「管理職として判断が求められるとき」が32.8%、「新たな領域の業務に挑戦するとき」が31.9%です。
幹部候補は、「上司や会社から求められる立場・役割を果たすとき」の43.9%に次いで、「新たな領域の業務に挑戦するとき」が40.9%となっています。
このように、管理職と言ってもステージごとに悩みや課題は異なることがわかります。
3. まとめにかえて
一般的には昇進するにつれて給料が増えていく傾向にありますが、企業によっては業務量や責任の増加に対して給料の増加が見合わないこともあり、「割に合わない」と感じるケースもしばしばあるでしょう。
また、管理職になると部下の育成や部下とのコミュニケーションなど、普段の業務に加えて様々な悩みや課題を抱える傾向にあります。
こういった管理職の悩みや課題を解決するためには、本人の自助努力だけではなく、企業側のサポートも求められています。
参考資料
加藤 聖人