物価高騰が続く中、日々の生活への負担が重くのしかかる現代。特に、世帯の収入が低い住民税非課税世帯は厳しい状況がみられます。

そこで政府はこのような世帯を支援するために、住民税非課税世帯への10万円給付が実施されています。

注意が必要なのは、この給付金は「2023年度に受け取った人は対象外になる」という点です。他にも一部で対象外となるケースがあるので、注意が必要です。

日々の生活に10万円の給付が行われるのは、低所得世帯にとって大変ありがたいことでしょう。一方で、給付金ではそもそもの課題解決にはならないという声も聞かれます。

そこで本記事では、この10万円給付の対象者と対象外となる人を整理したのち、給付金が生活にもたらす影響を様々な視点で見ていきます。

1. そもそも「住民税非課税世帯」とは?

そもそも住民税非課税世帯とは、どのような世帯を指すのでしょうか。収入等の目安を見ていきましょう。

1.1 「住民税非課税世帯」の収入目安はいくら?

東京都港区の場合、住民税非課税世帯に該当する収入目安は以下の通りです(東京都港区の場合)。

【写真1枚目/全2枚】港区における住民税非課税世帯の年収条件。次の写真では「年代別の住民税非課税世帯の割合」を一覧表で比較

港区における住民税非課税世帯の年収条件。次の写真では「年代別の住民税非課税世帯の割合」

出所:港区「住民税(特別区民税・都民税)はどういう場合に非課税になりますか。」

  • アルバイトやパートなど:給与収入が100万円以下
  • 65歳以上で年金受給のみ:年金収入が155万円以下
  • 65歳未満で年金受給のみ:年金収入が105万円以下

給与収入の場合、住民税非課税世帯に該当するための年収目安は「100万円以下」となっています。

アルバイトやパートだけでなく、会社員であっても「退職してしばらく無職の期間があった」という場合は、該当する可能性もあります。

一方で年金収入の場合は、給与収入よりも収入目安の基準額が上がり、65歳以上で「155万円以下」、65歳未満で「105万円以下」となっています。

上記から、給与収入を受け取っている現役世代よりも、年金を受け取っているシニア世代のほうが、住民税非課税世帯に該当しやすいといえるでしょう。

次章にて、年代別の「住民税非課税世帯の割合」を確認してみます。