2. 最低賃金アップで浮彫となる「年収の壁」問題

最低賃金が上がることで賃金上昇になれば喜ばしいことに思えますが、一部のパート主婦からは悲鳴の声も上がっているのが現実です。

扶養内パートを続けるためには「自身や配偶者の税金・社会保険料に影響しない年収」に留まる必要があるため、賃金の上昇で手取り額が逆転してしまうこともあります。

「年収の壁」を超えないよう、勤務時間や勤務日数を再度調整しないといけない人もいるのです。

2.1 10月からは社会保険の適用要件の拡大も

年収の壁のひとつが「年収130万円」です。この基準以下に抑えれば、これまで配偶者の社会保険の扶養に入ることができていました。

しかし、10月からは社会保険の適用要件拡大が始まったことで、一部の企業※では「130万円」ではなく「106万円」を超えると社会保険に加入しなければなりません。

※従業員数が51人以上の勤め先へ拡大します。

上記に該当する勤め先の場合は、下記要件をすべて満たした際に、社会保険の加入対象者となります。

  • 週の所定労働時間が20時間以上30時間未満
  • 所定内賃金が月額8万000円以上
  • 2ヶ月を超える雇用の見込みがある
  • 学生ではない

事業所の規模によっては「106万円」が壁になる人が多くなるため、最低賃金のアップにより「106万円の壁」「130万円の壁」を意識する必要があります。

政府が進める「年収の壁・支援強化パッケージ」についても知っておきましょう。