かつては定年退職を60歳としている企業が大半でしたが、65歳に延ばすところも増えてきました。2024年9月15日に総務省より公表された「統計からみた我が国の高齢者-「敬老の日」にちなんで-」によると、65歳以上の就業者数は20年連続で増加しており、914万人と過去最多になりました。
一方で、若いうちに資産形成をし早期に退職する「FIRE」という言葉も浸透してきているようです。
筆者は個人向け資産運用会社にて資産運用のサポート業務をおこなっていますが、ライフプランのご相談に来られるお客様の中でも、比較的若年層を中心に「早期退職」を意識している方が見られます。
いずれにしても、自分の退職時期を早い段階で意識し、人生設計を立てることは素晴らしいことです。
自分の老後生活のスタート時期を決めることで、それまでに必要な資金を逆算して効率よく準備していくことができます。
今回は、そんな老後生活における「平均的な貯蓄額」について確認していきます。
今の70歳代の貯蓄額を把握することで、自分の老後生活のイメージをしましょう。
1. 70歳代で貯蓄3000万円以上の世帯は全体の19.7%。貯蓄額にばらつきも見られる
金融広報中央委員会は、世帯主が20歳以上80歳未満の全国5000世帯を対象に、「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)」を行いました。
「70歳代・二人以上世帯」の金融資産保有額(※)に注目することで、70歳代の貯蓄状況が分かります。
※本データは「金融資産を保有していない世帯」を含みます。
1.1 貯蓄3000万円以上の「70歳代・二人以上世帯」の割合
- 19.7%