2.3 退職金の差は200万円以上
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者で、退職理由が「定年」の場合の退職金は以下の通りです。
- 高卒(管理・事務・技術職):1682万円
- 高卒(現業職):1183万円
- 大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1896万円
職種にもよりますが「管理・事務・技術職」で比較すると、200万円以上の差があります。
2.4 生涯年収の差は6000万円以上
労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―」によると、高卒と大卒の生涯賃金は以下のようになっています。
<高卒の生涯賃金>
- 男性:2億6020万円
- 女性:1億8910万円
<大卒の生涯賃金>
- 男性:3億2020万円
- 女性:2億5370万円
高卒と大卒では、男女ともに6000万円以上の差があることがわかります。
大学への進学・卒業により、4年間でさまざまなことを学んでいるという前提があるため、一般的には高卒よりも賃金が高くなります。
3. まとめにかえて
7月末時点の高卒の求人倍率はバブル期を超え、過去最高水準を記録しています。高卒の採用に力を入れる企業も増えていますが、少子化によって求人数の増加は見込めず、採用難が続いています。
また、厚生労働省の調査などを見るとわかるように、高卒と大卒では賃金や退職金に差が出るのが一般的です。
高卒で働く場合は大学の学費や下宿代などがかからないので、目先の費用を抑えられる点はメリットといえますが、大卒との生涯賃金の差は6000万円以上に上る可能性があります。
もちろん、企業によって待遇は異なりますし、高卒だからといって評価が低いというわけではありません。必ずしも大学進学がすべてというわけではないので、その点は頭に入れておきましょう。
参考資料
- 厚生労働省「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(7月末現在)
- 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
- 厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」
- 労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2023 ―労働統計加工指標集―」
加藤 聖人