岸田文雄内閣総理大臣は、8月14日自民党総裁選挙への不出馬を発表しました。
これにより、日本は新たなリーダーを据えることとなります。9月12日まで告示・候補者推薦届出受付が行われ、多くの自民党員が総裁選への出馬を表明しました。
各候補者の政策展望が垣間見えるなかで、投資家たちを驚かせるようなできごとがありました。
総裁選出馬を表明した石破茂氏が、金融所得課税の強化について「実行したい」と発言したのです。
果たして、金融所得課税の強化とは、一体どのようなことをするのでしょうか。また、発言の真意はどういったものなのでしょうか。加えて、2024年から始まった新NISAへの影響があるのかも気になるポイントです。
この記事では、金融所得課税の強化に関する概要や新NISAへの影響について解説します。
1. 石破茂氏、金融所得課税強化「実行したい」と発言
9月2日に、自民党の石破茂氏はテレビ番組に出演した際に、金融所得課税の強化について「実行したい」と発言しました。
金融所得とは、利子や配当、株式の譲渡所得による利益のことを指します。
現行制度では所得金額にかかわらず一律で20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税含む)の税金がかかります。金融所得課税への強化とは、高所得者に対しての税率を高めることで、所得に応じた平等な税負担を実現しようと考えているのです。
しかし、政府はこれまで新しいNISA制度の設立など「貯蓄から投資」への流れを着実に形にしている最中です。この流れに水を差す形になりかねないためか、ほかの総裁候補者は金融所得課税の強化に関しては否定的な発言をしています。
石破氏も後日、発言をあらためて釈明し、超富裕層などが対象となる旨を付け加えるに留まりました。
では、金融所得課税の強化対象になりうるとされる「超富裕層」とは、どのような人たちを指すのでしょうか。次章で解説します。