大人には想像のつかない遊びをしたり、泣きわめいたり、悪ふざけをしたり、反抗したり・・・親の思い通りにはならないのが子どもですよね。そうとはわかっていても、子どもの言動にイライラしてしまう。その理由を5つご紹介します。

子どもというものがわからない

少子化の現代では、実際に自分が子どもを持つまで、子どもと触れ合う機会がなかったという人も少なくないでしょう。それまで子どもと触れ合った経験がないと、「子どもはどういうものか」がわかりません。

そのため、子どもの突拍子もない言動も理解できず、過敏に反応してしまいがちに。理解することなく「子どもってこういうもの」と流せれば良いですが、そもそも「こういうもの」がわからないので、特に1人目や男の子育児ほどイライラしてしまうでしょう。

そういうときは、子どもの成長発達や脳科学の本を読んだり、支援センターや園などでたくさんの子どもを見ると「皆似たようなことをしている」ということがわかるでしょう。

日常生活で「思い通りにいかないこと」があまりない

文明の発達で、日常生活において「自分の思い通りにいかない」と感じることが減りました。暑ければエアコンをつければいいですし、家事を分担してくれる便利家電もあれば、スマホ一つで仕事も遊びも買い物もできます。

一方で、子育ては太古の昔からほとんど変化がありません。産後の頻回授乳から夜泣き、黄昏泣き、イヤイヤ期など、人間を育てるということは思い通りにいかないことばかりです。思い通りにいかないことへの耐性が低くなった分、過剰に反応してしまうこともあるでしょう。

疲れている 

夫婦で仕事・家事・育児の全てを担い、母親のワンオペ育児も当たり前な現代。昔は祖父母や近所の大人など大勢でしていたことを1人や2人でやるのですから、毎日疲れてしまいますよね。

疲れているときに予想外のことが起きると、ネガティブな感情が湧くのが人間というもの。疲れていなければ「面白い」と思える子どもの行動も、疲れていると「勘弁してよ…」と思ってしまいます。日々の疲れを減らすために、家事などを減らすことを検討してみましょう。

一つの視点でしか物事を見れない

たとえば子どもが急須からお茶をつごうとしてこぼした場合、1人で育児をしていると「余計なことしないでよ。片付けるのは私なのよ」と思いつつ、溜息をついたり、子どもを怒りながら後片付けをするということは少なくないでしょう。

もしここにおばあちゃんがいたら「ママのお手伝いしようとしたの〜偉いわね」と褒め、おじいちゃんがいたら「子どもは親のやることをよく見てるなぁ」と指摘し、近所のおばさんがいたら「半分は上手につげたじゃないの。まぁ〜この間まで赤ちゃんだったのに大きくなったわね〜」と成長を喜んだかもしれません。

他に人間がいれば、その人数分だけ、物事を様々な角度から捉えることができます。そうやって話をしている間に、お茶をこぼしたことなんてどこかにいってしまいますが、1人で育児をしているとそうはいきません。予想外のことをすればイラッとして終わり、ということが少なくないのです。

こればかりは他に人がいなければ、解決のしようがありませんね。とはいえ環境はすぐには変えられませんから、実の親やママ友、支援センターに常駐する保育士さん、初めて出会った同じ年齢の子を持つママなどに話ししてみましょう。人に話し、共感してもらうだけでも気分が違うでしょう。

「自分の思い通りにしたい」と思っている

子どものことを「思い通りにならない」と思うのは、「子どもを自分の思い通りにしたいと思っている」ことと同じ。多かれ少なかれ、親になるとこういった感情を抱いてしまうのでしょう。それでもやはり子どもは他人であり、自分とは違う一人の人間。子どもを自分の思い通りにしたいと思うと、「子どもの人権」を尊重できなくなってしまいます。

子どもが思い通りにならなくてイライラしたら、「自分は子どもをコントロールしようとしていないか」と、振り返ってみましょう。自身の子どもの頃を思い出せば、親の希望を押し付けられるのがどれほど嫌かわかりますよね。子どもを一人の人間として尊重するよう、心しましょう。

子どもが思い通りにならないということは、「その子なりの自分の考えがある、個性がある」というプラスとして捉えることもできます。一度立ち止まり、その子らしさをじっくり見てあげるのも良いでしょう。

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宮野 茉莉子